公式サイト
http://xpjug.com/xp2015/
こくちーず
http://kokucheese.com/event/index/324682/
Togetter
http://togetter.com/li/872910
場所は早稲田大学 西早稲田キャンパスです。
参加者は200人弱くらいでしょうか。
今年で私、初参加から4年連続の参加になります。過去に書いたブログはこちら。
- 2012/9/15(土) 「XP祭り2012 〜 ソーシャルチェンジ! 〜」に参加しました
- 2013/9/14(土) 「XP祭り2013 〜 XP 〜」に参加しました
- 2014/9/6(土) 「XP祭り2014」に参加しました
というわけで私にとって、毎年恒例の楽しみなイベントになりつつあります。
今年も会場に着くと、協賛の出版各社様からの献本がズラリ。

毎年、最後のクロージングで参加者にプレゼントされるので、楽しみの1つなのです。
この日、私が参加したセッションは以下のとおり。
- A-1 オープニング (Agile仙人) – 10:00~10:30
- A-3 XP lives, XP dies, XP lives again!! (角征典さん) – 10:30~11:30
- A-4 “俺も” XP入門 (木下史彦さん) – 13:00〜13:45
- A-5 アジャイルとアンラーニング (渋川よしきさん) – 14:00〜14:45
- C-6 ユーザーストーリーマッピング入門 Agile2015版 (川口恭伸さん) – 15:00~15:45
- C-7 ユーザーストーリー ネクストジェネレーション (懸田剛さん) – 16:00〜17:00
- A-8 LT祭り – 17:15~18:30
- A-9 クロージング – 18:30~19:15
今回は講演系ばかりの選択になりました。でも、ワークショップの方も魅力的だったので、両方とも参加したかったなぁ・・・
みなさまお疲れさまでした。おうちに帰って感想等共有いただくまでがXP祭りです。 ぜひ、ブログ等にかかれたらこのハッシュタグにて共有してくださいませ。 #xpjug
— 侍れっど (@samuraiRed) 2015, 9月 12
ということで、自分の復習も兼ねてブログにメモを書くのである。
A-1 オープニング (Agile仙人) – 10:00~10:30
毎年恒例、オープニングを務めるのはAgile仙人お二人による漫才。
このセッションはゆる~く、メモとかは取らずにのんびり楽しみます。
今年は、これまでのXP祭りを振り返る、という内容でした。
私がXP祭りに参加するようになったのはここ4年くらいですが、XP祭りはもう15年くらいの歴史になるようで・・・
でも、長いようであっという間だったのかもしれません。
A-3 XP lives, XP dies, XP lives again!! (角征典さん) – 10:30~11:30
素晴らしい講演でした。大事なことはスライドに書いてあるので、口頭説明の部分のみ、メモ。
■ XP lives (past) (P.2)
- XP白本の第2版が出た2004年くらいまでは、XPは生きていた。2008年まではXPは辛うじて生きていた。
- でも、この後の時期くらいからXPは死んでるんじゃないか。
■ XP dies ... and Scrum lives (P.4)
- XPがなんで死んだか?原因は無い。ただ、Scrumが台頭してきた。
- XPの分かりにくかった部分をシンプルに書いて、フレームワーク化したのがスクラムガイドだった。
■ Scrum lives ... (P.5)
- 認定スクラムマスター(CSM)の取得者が2006年で30000人だったのが、2年くらい経って2009年に60000人と倍になった。
- この時期がXPが死んだ時期と重なっている。
- スクラムガイドの著者が「CSMは金儲けの道具ではない」と主張したら、自分が作ったScrum Allianceから、自分もスクラムガイドもscrum.orgに追い出された・・・
■ Agile is Dead (P.8)
- 書籍「達人プログラマー」で有名なデイブ・トーマスが、アジャイルカンファレンスに向かうバスの中で、二人のアジャイルコンサルタントの会話を聞いて激怒した。
- そのイベントの基調講演のタイトルを急遽「Agile is Dead」に変更し、帰ってからも怒り心頭でブログを書いた。
- http://www.infoq.com/jp/news/2014/11/pragmatic-dave-agility
■ GROWS (P.12)
- プラクティスは重要ではない。学習ベースやエビデンスモデルが大事なんだ、という主張のメソッド。
- (ググってみた: InfoQ アジャイルの拡大,定義,発展を理解する)
■ デイブ様からのご提案 (P.15~P.22)
- これらの提案はNo!
- なぜなら、「一方的に与えるモデル」ではダメだから。自分で掴んでいくモデルじゃないといけない。
■ プリクエル (P.31)
- (「プリクエル」という単語の意味を知らなかったのでググってみたら、「文学・映画作品などの)前編」とあった。)
- アジャイルの歴史、つまり以前に何があったかのを知らないと、理解が進まない。
■ Q.「アジャイル」を提案したのは誰?
- 角さんからの質問に対し、聴講者の1人「マイク・ビードル」 ⇒ 角さん「No」
- A.「マーティン・ファウラー」です。なぜなら、「アジャイル」の発音がイギリス式だから。
- アメリカ英語だと「アジル」。最初、みんなが「アジャイル」と発音できるか不安だった。
- 「アジャイルマニフェストの歴史」のページにちゃんとそう書いてある。(まこぴも読んでみたら第2節に書いてあった!)
■ ぶりきじゃ( Martin Fowler's Blikiの日本語翻訳サイト)
- http://bliki-ja.github.io/ に最近移動しました。
■ Conversational (対話) (P.39~)
- マーティン・ファウラー 「Conversational が最近のアジャイルでは失われているのが嫌だ」
- Conversational がなぜ大事なのか、XP白本には書いてない。
- ケント・ベックのうまく表現できないことを、マーチン・ファウラーがいつもうまく表現してくれる。
- マーティン・ファウラーは、まとめ職人としてすごい。
- 有名な「トヨタウェイ」も、マーチン・ファウラーのまとめとほぼ一緒だった。凄い。
■ 科学的管理法
- XP白本の18章に「テイラー」が出てくる。
- 科学的管理法により、人間性が失われていった。科学的管理法は人間を歯車的な使い方をする。
- 生産性を上げようと考える人を立てて、それ以外の人が何も考えずに働く。
- ただ、人は怠ける可能性があるので、後工程で品質をチェックする人を配置する。
- このような管理が、科学的管理法である。でも、我々はモノではない。
■ モノの証明(認定) (P.54)
- XP白本の21章に「認定とか認証は良くない。金儲けしてるだけだ。」と書かれている。
- XPは、認定とかは作らない。「XP dies」、XPは死んだ、と言われても、認定を作っていない。
- (認定を行っているScrumとの対比)
■ バートランド・ラッセル
- 数学者はお爺さんになると、哲学者になるw
- ラッセルの言っている「個人の独創性」と「社会的結合」の組み合わせる話と、XPは同じことをやろうとしている。
- クリエイティブなことも必要だし、一緒に働かないといけない。
- ラッセルの言いたいことが1章冒頭の一文「XPはソーシャルチェンジである」と、簡潔に表現しているw
■ 新しいソーシャルチェンジ (P.59)
- 誰とでも上手くいくわけではないので、まず最初にTeam Geekを読んでもらう。
- Team Geakには、個性が強い人たちをどうチームとしてまとめるかの話が書いてある。
■ 三本柱(HRT) (P.60)
- まず「HRTの文化」を作る。HRTは好き嫌いに関わらず、まず最低限は守ってもらうようにする。
- (ちなみに私、Team Geekに関する角さんの以前の講演でこの絵を見せられて、HRTと聞くといつもコレ思い出す・・・)

(「北斗の拳」のハート様)
■シンプリシティ (P.68)
- こんまり先生は、片付けの先生として有名。
■ こんまり流片付け術 (P.71)
- 「捨てるモノ」ではなく「残すモノ」を選ぶ。
- それまでは断捨離が流行っていた。ものを捨てていくと生活が荒んでいく実感があった。なので方針転換した。
- こんまり先生いわく、「それはときめくか?」
- 方法論としては革新的だった。それは、教えることができないから。
- ときめきは個人的。教えるものではない。最強のツール。
■ なんか聞いたことがある! (P.73)
- クリストファー・アレグザンダーは、デザインの美しさとか心地よさとかをデザインに反映しようと考えていた人。
- 結局はこんまり先生と同じことを言っている。
■ ときめく♥プラクティスを選ぶ (P.78~)
- XP白本の23章「時を超えたプログラミングの道」は、ときめきの道なんだ。
- XPをやる時は、ときめく必要がある。ときめくプラクティスを選ぶんだ。
- XPは「価値」とか言ってるけど、そんなの届けた後にしかわからないじゃないか。
- 「無駄」とか「価値」じゃなくて、「ときめき」なんだ。
- ときめき駆動開発。TDD!
■ XPが目指している(いた?)もの (P.82)
- このグラフは、時間が進むにつれて変更工数は指数的にに増えることを表してる。
- 時間が経っても変更コストは一定にできる、という下側のグラフがXP白本の第2版にあった。
■ できることを増やすプラクティス (P.83~)
- ケント・ベックが本に書いたこの例について、マーティン・ファウラーがまとめ職人として上手く表現している。
- 変更工数推移のグラフを平らにするにはこの3つをやってればいいんだ。
- テスト(自動テスト)
- 継続的インテグレーション
- リファクタリング
■ バリー・ベームからの反論 (P.85)
- いや、それだけでもダメ。小さいプロジェクトならいけるかもだけど、大規模プロジェクトだとダメ。
■ アーキテクティングは前もって行う必要があるのか? (P.86)
- 良い設計と悪い設計があって、ちゃんと設計してないと時間が経つについれて機能追加する速度が落ちていく。
- スタミナ仮説のグラフで、「No Design」と「Good Design」の線の交差点よりも期間が短いPJは設計しなくてもいいかもだけど、そうじゃないなら設計しましょう。
- そうしないと、技術的負債に落ちていく。
- 交差点までの期間は、数週間くらい。
■ 技術的負債の四象限 (P.90)
- マーティン・ファウラーが提唱している。(ぶりきじゃ: http://bliki-ja.github.io/TechnicalDebtQuadrant/)
- 4象限の左半分は無鉄砲で救いようが無いので、捨てても大丈夫w
- 考えないといけないのは4象限の右下。容易周到にやってるのに不注意。ここをどうするかがソフトウェア開発の関心事。
- XP白本の14章で扱っている。
- 経験をベースにした設計が大事。熟考でも、早すぎてもダメ。経験してから設計する。
■ 「経験」してから設計する (P.92)
- セットベース開発が現実的。
- 複数案を実装してそこから選ぶとあるが、ブランチ1個で開発したりとか、現実ではやられていない。
- でも、やってみたらいいんじゃないかな。
■ 可逆性を確保せよ (P.93)
- 7月にケント・ベックが「可逆性」についてFacebookに書いている。
- https://www.facebook.com/notes/kent-beck/taming-complexity-with-reversibility/1000330413333156
- できることを増やすプラクティスがいっぱい紹介されている。
■ モブプログラミング (P.116)
- モニターとキーボードは1つ。ドライバー1人に対して、他の人はみんながナビゲーターとして見ている。
- ただ、WIP制限が1なので効率的じゃないよ、とKanban in ACTIONが書いてるけど・・・・
■ ラズベリージャムの法則 (P.132)
- 「広げれば広げるほど薄くなる」という法則。
- いろんな人に伝わった結果、よくわからないものが広まっている。それを飲み込むのじゃなく、自分で考えることが大事。
■ イチゴジャムの法則 (P.133)
- 「粒があれば、どこまでも薄くはならない」という法則。
- ここで言う「粒」は、人間性と適応性。
■ 昼休み (11:30~13:00)
お昼休みは1時間半と長く、外に出て食事するには十分です。ですが私は・・・
昼休みのゲリラLT(野良LT)を楽しみに、毎年行きでお弁当を買って持ってくる #xpjug
— makopi23 (@makopi23) 2015, 9月 12
あと、昼休みに出版社さん提供の書籍を手にとって読んでみたり、配布資料に目を通したり、知り合いのスタッフさんと会話したり。
先週買った角さん翻訳の白本をまだ読みきってなかったので、それを読んだり。
そんなこんなで、今年もゲリラLT(野良LT)が始まります。
そろそろ野良LT(ゲリラLT)はじまりますよ #xpjug pic.twitter.com/NdBRW33Oeo
— タケドロイド (@take3000) 2015, 9月 12
野良LTお馴染み @take3000 さん、今年はクラスメソッドでの採用活動がLTのテーマでした。
他にもLT司会進行役の侍レッドさんのXP祭り音頭(?)の生演奏があったり。
今年は聴衆も多くて盛況。のんびり楽しいヒトトキを過ごしました。
A-4 “俺も” XP入門 (木下史彦さん) – 13:00〜13:45
アジャイルで名高い永和システムマネジメントの、アジャイル事業部の事業部長をされているとのこと。
事業部長というと年寄りのイメージがありますが、木下さんはとても若く見えました。何歳なんだろう・・・
■ XPシリーズの書籍
- ピンクの「導入編」: 具体的なやりかたが書いてある。白本は書いてない。
- 黄色の「アドベンチャー」編: ピンクのと同様、具体的な進め方が書いてある。
- 緑の「実行計画」編: 計画づくりのフォーカスしている。
- 紫の「適用」編: XPを実践した人のコラムがある。
- オレンジの「実践」編と赤の「ウェブ開発」編: 1つのプロジェクトにフォーカスして説明している。
- 黒の懐疑編: XPを批判的な視点で解説している
- 全部絶版なので書店で買えないAmazonで中古が売っていて、8刷全部買っても、合計111円!
■ XPとは
- 恐れに対処する
- 変更コスト曲線を平らにする
上記をテーマに、書籍で紹介されていることをベースにした解説でした。
私、白本しか読んだこと無い(しかもまだ半分くらい)なので、白本以外の書籍に関する情報はとてもありがたかったです。
A-5 アジャイルとアンラーニング (渋川よしきさん) – 14:00〜14:45
アンラーニング from Yoshiki Shibukawa
角さんと木下さんのスライドが約130枚なのに対し、渋川さんのスライドは全部で20枚!
社内SEとしての取り組みについて、XPを交えてシンプルに纏めらています。
「社内専用のライブラリやフレームワークは誰も使いたがらない。自分のキャリアに役立たないので。」という言葉は刺さりますね・・・
私も自社で技術開発支援的な部門にいるのですが、この辺はきちんと意識してツール開発とか支援をする必要があると思います。
あと、「アンラーニング」という言葉。既存のやり方を捨てて、新しいやりかたを学ぶ。
この辺は、天野さんのLTのテーマだった「老害」にも少し関連しそうだな、と思いました。
新しいフィードバックを得て、自分で経験をして、やりかたを変えていくの大事。
■ C-6 ユーザーストーリーマッピング入門 Agile2015版 (川口恭伸さん) – 15:00~15:45
(スライドが公開されたらココに貼る)
川口さん、 ユーザーストーリーマッピングの話 #xpjug pic.twitter.com/B00lZuFxVz
— Shinichi Nakagawa (@shinyorke) 2015, 9月 12
2009年のアジャイルカンファレンスでJeff Patton に合って感銘を受けたのが、以下の本の翻訳にも繋がったそうです
ユーザーストーリーマッピング
posted with amazlet at 15.09.13
Jeff Patton
オライリージャパン
売り上げランキング: 98,666
オライリージャパン
売り上げランキング: 98,666
セッションでは、ユーザーストーリーマッピングのポイントや利点などを紹介されてました。
あと、セッションの中で協調ワークショップについて紹介されてました。
ステークホルダーとか予算出す人を入れて、共通理解を作っていく話や、現在ユーザはどういう問題をかかえていて、どういうところを辛いと思っているか、をワークショップで明らかにするという話がありました。
事前に調査をやっておき、知っている人がいる状態でやることがポイントだそうな。
スライドがまだ公開されてないので、纏めは後で追記予定。
C-7 ユーザーストーリー ネクストジェネレーション (懸田剛さん) – 16:00〜17:00
(スライドが公開されたらココに貼る)
ユーザーストーリの話に始まって、会話の重要性、テンプレートゾンビ、ゴールデンサークル、デザイン思考、NVC、M♡P、狩野モデル、Happy Startuup Cambus、沢田マンション、輝ける大地、etc・・・
非常に多岐に渡る壮大な講演でした。結論的なものはたぶんこれに集約される、でいいのだろうか・・・w
まとめ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 「輝ける大地」 #xpjug
— タケドロイド (@take3000) 2015, 9月 12
「輝ける大地はなんなのか?」「深い感情に目を向けて正直にならないといいものはできないんじゃないか。もっとダイブしないといけない」#xpjug pic.twitter.com/8dTGt4JeZl
— IWAKIRI,Akiko / 岩切晃子 (@kohsei) 2015, 9月 12
・・・スライドが公開されたらメモを起こす予定。
A-8 LT祭り – 17:15~18:30
毎年恒例、XP祭りの最後を飾るのはLT大会。今年もレベルの高いLTが繰り広げられました。

LT大会の打順。
【XP祭り2015】LTの打順です。 #xpjug pic.twitter.com/804PMBBe6Z
— xpjug (@xpjug) 2015, 9月 12
現時点で公開されているスライドを貼っておく。
俺も!「老害」 公開版 from ESM SEC
いやー、今年のLTも大変楽しめました。
★感想:
純粋に楽しかったし、気づきも多く得られたし、来年もまた行きたいな~と思うのでした。
奮闘してくださる当日スタッフさんが講演をほとんど聞けないのはなんか申し訳ないので、Ustremeの録画&配信とか来年からやってみるといいんじゃないかな~と思うのでした。
そうするとスタッフさんも、後でUstと公開済スライドを見ながら、講演を聞けるようになるので。
同時セッション数も多いので、参加者も自分が参加できなかった裏番組を後で聞けたりする恩恵もあるでしょうし。
もちろんUst配信はそれなりに大変だと思うのですが・・・
登壇者さん、運営のスタッフさん、会場提供の早稲田さん、関係者の皆様ありがとーございました。
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