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以下の書籍をターゲットとした読書会なのです。
![]() | アジャイルサムライ−達人開発者への道− (2011/07/16) Jonathan Rasmusson 商品詳細を見る |
ちなみに本を読む通常会は先日最終回を迎えたので、今回は特別編です。
テーマは、アジャイルではおなじみの、KPT~
場所はいつもの横浜、アットウェアさんです。
参加者は満員御礼の30人かな?特別編は人気がありますね~
講師は、先日以下の書籍を執筆された永和システムマネジメントの天野 勝さんです。
![]() | これだけ! KPT (2013/08/23) 天野 勝 商品詳細を見る |
今回の題目にある 「見せて貰おうか、XXXの性能とやらを・・・」というのは、もちろんあの名言が由来ですね。
というわけで久しぶりに赤い彗星の美声を聞きたくなったのでポチっとな。
以下、天野さんの講演時の口頭説明を中心に自分メモ。
■講演+ワークショップ
KPTの基本と、その活用法 from ESM SEC
■KPT
・KPTは、物事を整理するためのフレームワーク。
・みんなが思っているほど有名じゃない
・今日の話の内容は以下の書籍にほとんど書いてある。
・出版社が「これだけ!○○」シリーズを出版していて、今回執筆のお願いが来た。
■KPTとは (P.8/33)
・アリスター・コーバーンが書いた「アジャイルソフトウェア開発」という書籍にKPTが出てくる。
![]() | アジャイルソフトウェア開発 (The Agile Software Development Series) (2002/08/30) アリスター・コーバーン、Alistair Cockburn 他 商品詳細を見る |
・KPTは、分かってくるとどこでも使えて便利。
・「やりっ放しってよくないよね」ということで、そこで使うと効果的なフレームワーク。
・振り返りによく使われる。
・KPTのKeep, Problem, Tryのそれぞれの日本語訳はどーでもいい。
・KPTは「けぷと」と発音する
■KPTのステップ (P.9/33)
・左側のKeepとProblemから始める。
・次にKeep, Problemのそれぞれに対して改善策を考える。
・Tryの領域がKeep,Problemより大きくなっている点がポイント。
・ProblemだけではなくKeepに対してもTryも考える。ProblemからだけTryを考えるのは日本的である。
・Keep, Problemからだけではなく、工夫したいこともどんどんTryに入れる。
・Tryに挙がった中から、試すことをいくつか選んでやってみる。
・上手くいったことはKeppにまた入る。
・これらのステップががグルグル回る。
■KPTによるナレッジサイクル (P.10/33)
・Keepに良い行動のナレッジが蓄積される。
・これが次へ次へ、と繋がっていう。
・このグルグル回るフォーマットがKPTの良いトコだと思っている。
・領域が3つしかないので単純で、工夫の余地ある。自分なりにアレンジしてよい。
■Keep(続けたいこと、良いこと) (P.11/33)
・Keepを上げるのすごく難しい。いきなりKeepが出てくることは少ないんじゃないか。
・それに対し、Problemは簡単に出てくる。
・Keepを出すときのヒントは、「些細なことでも挙げる」こと。
・個人的なことも挙げてよい。「共通のことを挙げなきゃ」というプレッシャーは必要ない。
■Problem(不満点、問題点) (P.12/33)
・Problemに対し、「不満」というニュアンスが気に入っている。
・Problemを「問題点」というと、大げさ。分析しないと出てこないイメージになる。
・未来の問題をあげておくとよい。
・Problemがうまく行かない代表的なポイントは、「行動の否定系」を書いちゃうとこ。「~してない」は要注意。
→Tryが「~してない」の裏返しとして「~する」しか書かれなくなる。
・「~してない」だけだと、その背景が探れない。
■Try(改善策、工夫してみたいこと) (P.13/33)
・Tryを出す時は3つの視点で考える
①ProbllemからTryへ
②KeepからTryへ
③閃きからTryへ
・Tryが形骸化するパターンは、Tryをたくさん挙げて一気にやろうとすること。
・次の振り返りで、「前回のTryのどれもやれてない。。。」というようなことが続くと、「改善策を考えてもなぁ・・・」となってしまう。
・なので、効果がありそうな改善策をいくつか絞ってやるのが良い。
・抽象的なTryは行動できないので、どこかのタイミングで行動できるようにブレークダウンする。
・「しっかり~する」とか「ちゃんと~する」は、行動に移すにも困ってしまう。なので具体的なキーワードを入れること。
■演習:明日の私 (P.15/33)
・各自、KPTで今日を振り返り、明日の行動を考える。
・KPTはマインドマップ風にやるとやり易かったりする。
・ということで、自分でちゃちゃっと書いてみた。

・各自書いた後、それを隣の人と確認する。ポイントは「Problemが行動の否定系になっていないか」という点。
・あと、Problemは「行動に移せる指標に繋げられるものがあるとよい」というコメントを隣の参加者から戴きました。
・天野さん曰く、Problemのダメな例:「メールを数時間見ていなかった」
→ 「メールを数時間見ていないと何が悪いのか」という所まで踏みこめていない。
→ 「メールを数時間見ていなかったことで、緊急のメールに対する返信が遅れた」というくらいまで掘り下げて考えるべき。
・掘り下げることが重要。そうすることで、Problemの裏返しじゃないTryが出てくるようになる。
■KPTの活用法 (P.17/33)
・KPTだけで頑張るのは限界。
→ 「これだけ!KPT」の本は、KPT以外のことがたくさん書いてる。
→ どうKPTを活用するかがポイント。本の中心もそこにある。
■ソフトウェア開発でのKPTの適用例 (P.18/33)
・KPTはウォーターフォールでもやれる。各工程の終了毎にKPTをやったりとか。
・保守でも「案件毎」に振り返りをする。「案件毎」でなく「1ヶ月毎」にやったりすることもある。
■ソフトウェア開発以外でのKPTの適用例 (P.19/33)
・PMOでの情報共有や、コールセンターでモチベーション向上を狙ってKPTをやったりとか。
・朝会ブームの時に、毎日の発言が「通常の業務です」しかでなかった。。。
→ 朝会の満足度を手で表現してください、としたら、1とか3しか出なかった。
→ 「それでいいんですか?」ということで打開策を考えるようにした。
■自宅でのKPTの適用例 (P.20/33)
・バスケットボールチームでもKPTをやった事例がある。
→ K:よいところ、P:もうちょっと頑張れたと思うところ、T:次はどうするか
・K, P, Tのそれぞれの訳はどーでもいい。
・ピアノの練習で、K:練習した時間、P:遊んだ時間、T:来週の練習時間、というふうにした事例もあった。
・「KPTとは」という話を聞かなくてもできるのがポイント。
■ふりかえりとは (P.22/33)
・過去の学びを未来に活かすこと。
・個人でやるよりも、チームでふりかえるのが効果的。
・PDCAのCAと相性がよい。
・PDCAの図で、サイクルを回していかなければいけない。
・週ぐらいの単位でリズムを決めて見える化する。
・詳細は道場の告知ページにある以下のガイドを参照。
「プロジェクトファシリテーション価値と原則編」
「プロジェクトファシリテーション実践編:朝会ガイド」
「プロジェクトファシリテーション実践編:ふりかえりガイド」
「プロジェクトファシリテーション実践編:見える化ガイド」
「プロジェクトファシリテーション実践編:計画作りガイド」
■ふりかえり会とは (P.23/33)
・ふりかえり会のポイント
①時間をかけると嫌がるので短くやる方法を考える。KPT本にやり方が書いてある。
②気兼ねなく話をすることがポイント。
③そのために付箋紙を使う。
■ふりかえり会の効果 (P.26/33)
1.対話の場作り
・話さないで疑心暗鬼になるより、強制的でも話す場があればよい。
2.ナレッジの共有
・気付きの場作り
3.コーチング効果
・目標管理イベントがないとやろうとしない。
・チームでふりかえりをやると、腹落ちして目標に向かって進もうとする。
4.チームビルディング
・個人的には、チームの行動規範がうまれること。
・和気藹々ではない。スポーツでいう、アイコンタクトで進められる状態が近い。
■演習:ペアドロー (P.28/33)
・2人1組になって、ペアで交互に一筆ずつ、制限時間2分で天野さんの似顔絵を書く。
・KPTで振り返りをやった後、再度ペアで天野さんの似顔絵を書く。
・再度ふりかえり
・次は対象を変えて、道場主の似顔絵を描く
ということで、今回は絵がお上手な @s_kic さんとペアで似顔絵を描きました。
右から左に、順に 道場主似顔絵1st ← 天野さん似顔絵2nd ← 天野さん似顔絵1st。

うむ、なかなか良いカンジに描けました。毎回のふりかえりも上手く行ったんじゃないかなw
似顔絵を描くたびに振り返りをやり、Tryで次回チャレンジすることを決め、次回達成できたらKeepに移動させていきました。

Pの、ひげムズイw
あと、付箋に書くと、自然と次回意識するようになりますね。
■演習:気づきの共有 (P.29/33)
最後に、テーブル毎にふりかえりをやりました。

★感想:
私もなんちゃってアジャイルを社内でやっていた時に、イテレーションの最終日のふりかえりでKPTをやってました。
んでも、KPTはけっこー我流でやってたので、これでホント良いのかどうか、いまいちピンと来てない所もあったり。
ということで、今回の特別会はとても参考になりました。
ProblemからTry、だけじゃなく、KeepからTry、更にTryからKeepへ、という流れは新しい気づきですね。
あと、Problemに「~してない」と書いちゃうのはありがちなので、今度から意識して気をつける。
こーゆう特別会はホント良いですね~。アジャイルサムライの題材にぴったりだ。
来年もこんな企画を楽しみにしてます。
講師の天野さん、スタッフさん、参加者の皆さんありがとーございました。
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