DoorKeeper
http://yokohama-dojo.doorkeeper.jp/events/4836
以下の書籍をターゲットとした読書会なのです。
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場所はいつもの横浜、株式会社アットウェアさんです。いつも会場提供ありがとうございます。
参加者は20名くらいでしょうか。
この日は特別編ということで、嵩原 將志さんを講師にお招きしてワークショップをやりました。
ビジネスモデル・キャンバスというものを作る、とのことですが、私は予備知識無しで参加しました。
■講演スライド
今回の横浜道場特別編で使用した資料はFacebookで限定公開となっています。
ですが、ほぼ同様の内容が記載された資料がSlideshareに公開されています。↓
■ビジネスモデル・キャンバス
ビジネスモデル・キャンバスは対象ビジネスを9つのブロックに分けて整理することで、組織のビジネスモデルを分析したり、情報を整理するためのツールだそうです。
例えば、事業計画書を作成する前に、自分が今考えているアイデアがイケそうか考えたりするのに使えるそうな。
9つのブロックについては資料参照。
ということで、チームでビジネスモデル・キャンバスを書いてみました。
私のチームは3名+道場主で、ターゲットはチームメンバのお1人に関係がある「Sony」!
うむむ、イメージが沸きやすい企業だ。

以下、講演時の個人メモ。
■ビジネスモデル・キャンバスの左半分と右半分の違い
・左半分は「論理」、右半分は「感情」を表している。
・左半分の「論理」はコストがかかるので、リズムで削っていく。
・右半分の「感情」は価値を届ける。
■リソース(KR: Key Resource)
・KRには、差別化できる要因を書く。
・例えば各企業には経理とか人事はいるけど、それは差別化にはならない。
・オフィスもリソースとして書かなくて良い。ただし喫茶店とかだと「駅前」とかは差別化になるので書いてよい。
・Googleのリソースを考えてみる。
・Googleは社員を500人レイオフしても痛くないが、システムが1日でも停止すると影響大。
・でも、それは一時期のスナップショットでしかない。長期的にみると、Googleのリソースは「人材」である。
■主要活動(KA: Key Activities )
・あくまで「主要」で「差別化」できる活動であること。
・主要な活動は、弄ると影響を受ける場所を指す。
■顧客セグメント(CS: Customer Segment)
・おおまかな情報を書くだけでOK。
・ニーズや背景を読み取ること。
・小型EV車の例が紹介されている。
- 「セグメント」で考えてしまうと市場は小さくなる。
- でも、「利用用途」で考えてみると、自動車ユーザの70%は1人で乗っている。
→ 「セグメント」ではなく「利用用途」を切り口にすると、「売れるかもしれない」となる。
■価値提案(VP: Value Propositions)
・価値提案のコツは「顧客視点」で書くこと。
・VPは要素がすごく多いので、必要に応じて分解して考えるのもアリ。
・「価値」と「活動」は違う。でも区別するのは難しい。
・例えば「プログラミング」が「価値」のように見えてくるが、これは「価値」じゃなくて「活動」。
・「活動」のその先の、プログラミングした結果によって収益を貰うことが「価値」である。
■チャネル(CH: Channel)
・AARRR指標を考えることも必要になる。「どういう順序で提供するか」
・そもそも市場が十分に大きか?が重要。市場が小さいのにコンバージョンしても仕方がない。
■顧客との関係(CR: Customer Relationships)
・CRには2種類ある。
①物理的関係の観点。
②愛着を持たれているかの観点。
・リピーターを獲得する要因は何か?を考える。
■パートナー(KP: Key Partners)
・CR(顧客との関係)に書いたものがKP(パートナー)に入ることが結構ある。
・競合他社とか自分たちのビジネスを脅かすものをメモしておくと良い。
・マーケティングのパートナーを推奨する。
・プラットフォームベンダーは、展開してくれるパートナーが必要になる。
・特にメディア企業は集客が命なので、マーケティングパートナーは重要。
・クラスメソッドでは社員が技術系ブログを書くことを推奨している。
・技術系のブログ記事はしぶとく検索で引っかかるので、費用対効果が高い。
・マーケティング担当者はコミュニティとかで顔見知りをたくさん作っておくと、そのマーケティング担当者が所属する会社や製品の悪口を、顔見知りがSNSとかで発信することが無くなる。
(見られている、という牽制になる)
■コスト構造(CS; Cost Structure)
・「金持ち父さん貧乏父さん」という書籍があるが参考になる。
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・収益を生み出さない資産は、「資産」ではなく「負債」である。
・いずれ収益を生み出すものは、切り捨てないようにする。
■ビジネスモデル・キャンバスのコツ
●バリューストリーム
・バリューストリームの流れを確認することが大事。
・というのも、みなさん思い入れがあるので、どうしても都合がいいことばかりキャンバスに書いてしまう。
・キャンバスに要素がたくさんあるけど、きちんと繋がって収益にいっていますか?
・そういう視点で見ると、けっこう穴が見つかる。想定しているお客さんへのチャネルが無かったりとか。。。
●作成順所
・9つのカテゴリの作成順序だが、目的によって順序は変わる。フォーカスするところから書くべき。
●書き方
・キャンバスを書くときの注意としては、人を巻き込んで書くこと。煙たがられるが、めげずに書くこと。
・何回も、何パターンも書く。
・破綻することを実行するのは意味が無いので、机上で検証できることは机上で行うべき。
●仮説検証
・キャンバスは半年とか3ヶ月くらいで見直すようにする。
■パーソナル・キャンバス
次は、チームではなく各自で、パーソナルキャンバスというものを作成しました。
なお上の資料にはパーソナルキャンバスの説明がありませんが、横浜道場Facebookの方の資料にはあります。
あとは、講師の嵩原さんが書いている以下のページが参考になるかも。
パーソナルキャンバスを描いてキャリアをデザインする
http://dev.classmethod.jp/etc/career-design-and-path/
自分自身のキャリアを整理し、今後をどう生きていくかを考える時に使えるとのこと。
ということで、その場で書いたのは以下。

でも、道場ではあんまり時間がなく落ち着いて作成できませんので、帰宅してから復習を兼ねて再度書いてみた!

(クリックで拡大。画像サイズは1067×529)
自分に向き合う、というのが新鮮ですね~
私はファミコン世代なので、小さいころからずっと、将来はゲームプログラマになりたいと思っていました。
んで大学では情報工学を専攻し、最終的にはゲームプログラマではなくメーカー系のSEを職に選びました。
ゲーム開発の道からは逸れましたが、ずっとプログラミングにワクワクしていた気がします。
なので、パーソナルキャンバスに真っ先に書いたのが「プログラミング」でした。
自分で手を動かして何かを作るのが幼稚園児のころから好きでした。工作ばっかやってたしw
時は流れて、最近はExcelやPowerPointと戯れる時間が増えて。。。
ということで、期末の面談では、「やっぱ開発に近い仕事がやりたい!」と上長に再度伝えることにした。
・・・な~んてことを考えたりする機会になりました。
■ビアバッシュにて
ビアバッシュにて、講師の嵩原さんと会話させていただく機会を得ました。
「キャンバスは、まず書く。その後で数字を付けてみて検証することが大事」とのことでした。
あと、前のホワイトボードで説明されてましたが、キャンバスは3種類あるそうです。
1.ビジネスモデルキャンバス
2.リーンキャンバス
3.エクスペリエンスビジョン
ビジネスモデルキャンバスで、VP(価値提案)という括りは雑すぎる、とのこと。
そこでエクスペリエンスビジョンでは、バリューシナリオとして以下の観点でVPを更に細分化しているそうな。
・ユーザのニーズ
・S/Pの提供形態
・~のメリット
・使用頻度
あと、エクスペリエンスビジョンは矛盾と重複があるそうです。
リーンキャンバスだと、VPの中に更に「ハイレベルコンセプト」というものがあるらしい。
角さんのRunning Leanが参考になるそうです。
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半分酔っ払ってたので、間違ってるところがあるかもしれません。ゴメンナサイ。。。
★感想:
興味深いワークショップでした。
分析する手法としては世間にたくさんあると思うのですが、こーゆう切り口の分析もあるんですね。
弊社では分析にKT法(ケプナー・トリゴー法)というのがデフォルトで教育に組み込まれてますが、ビジネスキャンバスはそれより手軽に分析できると思います。
(いや、KT法は最近使ってないから正確には言い切れませんが。。。)
たださすがに2時間のワークショップだけでマスターしたとは言い切れないので、機会があれば関連書籍とかも読んでみたいなぁ。
講演の中でチラッと出てきた以下の本なんかどーなんだろ。
![]() | ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書 (2012/02/10) アレックス・オスターワルダー、イヴ・ピニュール 他 商品詳細を見る |
やっぱ、ワークショップはいろんな気付きがあって面白いですね。
横浜道場の通常会はラスト1回ですが、今後も特別回を含め継続して欲しいです。
とりあえず道場主の、Agile2013報告会を特別回できぼんぬ。
あ、そういや今回、道場主から現地のRed Bullのお土産ありましたね。まさかシルバー、赤、青の缶とは・・・
講師の嵩原さん、道場スタッフさん、参加者の皆さんありがとうございました。
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