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makopi23のブログ

makopi23が日々の生活で感じたことを気ままに綴るブログです。

「Scrum Boot Camp in NII」に参加しました

2013/6/15(土) 「Scrum Boot Camp in NII」に参加してきました。

DoorKeeper
http://taoofscrum.doorkeeper.jp/events/4229

場所は神保町の国立情報学研究所です。
参加者は25人くらいかな。

私、アジャイルのお勉強会はこれまでもけっこー参加してきましたが、Scrum Boot Campは今回が初めてです。
一日みっちり、スクラムを楽しくお勉強できるということで、とても楽しみでした。

メイン講師は高江洲さん、サブ講師は今給黎さんと関さん。
こちらもお馴染みです。

この日の時間割ですが、Scrumを体系的に学べる講義と、学んだ知識を元に実践するワークショップを交互にやる感じです。



■座学編
by 高江洲さん


Agile、Scrumについて体系的に学ぶことができる座学編です。
以下、気になった所、なるほど~と思った所、スライドに無く口頭説明のみだった所を中心に、個人メモ。

■サイロ型な組織
「組織間の情報共有や風通しが悪く、組織運営が非効率な様」を言う言葉らしい。初めて知った。

■成功体験
・「今までうまくやってきたんだから、わざわざ変える必要ないっしょ?」
・本当か?数十年前の仕事のやり方がいいか、というと疑問が残る。
・それで成功していると思ってやっているが、実はそれって、成功していないんじゃないか?

■短絡的に考えない
・その選択肢が取れなくなった場合のことも考える。
・先送りにした問題はそのままになりがち。
・あとでソースコードを綺麗にしようとしても、その時間はぜったいにやってこない。

■ボーイスカウトを見習おう!
・通称「ボブおじさん」(ロバート・C・マーチン)の言葉らしい。
・The Boy Scout Rule : http://programmer.97things.oreilly.com/wiki/index.php/The_Boy_Scout_Rule
・「来たときよりも綺麗にして帰る」ということ。良い言葉だなぁ・・・
・ソースコードを綺麗に保て、ということに繋がる。

■問題にはみんなで向き合おう!
・犯人探しは不毛
・「人 VS 人」じゃない。向きを変える。「問題 VS 私たち」として考える。

■アジャイルソフトウェア開発宣言
・17人のうち、Scrumを提唱しているのはKen Schwaber氏とJeff Sutherland氏の2人。
・「ボブおじさん」こと、Robert C. Martin氏も17人の中に入っている。
・17人の中にいるJames Grenning氏は、先日のAgile Japan 2013で来日した。先日、組み込みの書籍の和訳が出た。
テスト駆動開発による組み込みプログラミング ―C言語とオブジェクト指向で学ぶアジャイルな設計テスト駆動開発による組み込みプログラミング ―C言語とオブジェクト指向で学ぶアジャイルな設計
(2013/04/24)
James W. Grenning

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■12の原則(4)「ビジネス側の人と開発者は、プロジェクトを通して日々一緒に働かなければなりません」
・組織パターンの「信頼で結ばれた共同体」に該当する。
人が作るソフトウェア 〜今組織パターンを読む意味〜 from Yukei Wachi

・原著はJames O. Coplien氏。和智さんが翻訳中。
・いくつかあるパターンの中で「信頼で結ばれた共同体」はMUSTのパターン。入り口。
・高江洲さんも査読を担当しているとのこと。

■12の原則(10)「シンプルさ(ムダなく作れる量を最大限にすること)が本質です」
・XPの「YAGNI」。
・この前、初めてYAGNIという言葉を知ったが、ここでも出てきた。「You ain't gonna need it.」
・機能は実際に必要となるまでは追加しないのがよいとする、エクストリーム・プログラミングにおける原則。

■Do Agile? Be Agile?
・「Agile」って形容詞なんだぜwww
・「何々やってたらAgileなんだぜ」ってことは言えない。
・「美しい」と同じ形容詞。「する」のではない。
・DoじゃなくてBe。
・態度からアジャイルになっていきましょう。
・形容詞は度合いが測れる。どのくらい「美しい」とか。
・「~やっているからAgile」じゃない。
・「アジャイル開発の経験3年以上」という人材募集を見ると、アジャイルがわかっていないな、と思う。
・「プラクティスをやってる」じゃない。態度のお話。
・ぶっちゃけていうと、ウォーターフォールでもアジャイルに開発することはできる。
・「アジャイル開発、無理っすわー」じゃない。「する」んじゃなくて、なればいい。
・ひとり、ふたり、と仲間を増やして、組織としてアジャイルになっていけば理想。
・するんじゃなくて、なろうぜ。DoじゃなくてBe。

■Scrumの特徴

・軽量
・理解が用意
・習得は非常に困難 
 (ちなみにScrum Alianceによると、Scrumの理解が低いワースト3に日本が入っているらしい)

■3本柱
・透明性 ・・・ 関係者全員が共通理解を持つ
・検査 ・・・ 障害の検知。ゴールに向かっているか
・適応 ・・・ プロセスを調整

後者2つを纏めて Inspect and Adapt と表現していた。

■優先度と優先順位
・「優先度」と「優先順位」は違う!
・「優先度」は高・中・低。優先度付してもらうと大抵、全部が「高」になる。
・「優先順位付け」は、一列に並んでいる状態にすること。

■サーバントリーダーシップ
・この前ググったが、ここでもこの単語が出てきた。もう一度ググってみる↓
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・「リーダーである人は、まず相手に奉仕し、その後相手を導くものである」というリーダーシップ哲学。
・サーバントリーダーは、奉仕や支援を通じて周囲から信頼を得て、主体的に協力してもらえる状況を作り出す。
http://www.servantleader.jp/about_servant.html

■プロダクトバックログ
・あとでいいなー、というユーザーストーリーは、優先順位さえまだ付けないでおく。
・さらに、まだざっくりレベルに留めておく。
・最低限必要な分だけ落とし込んで、きっちりと並べる。

■タスクボード
・付箋の剥がし方で下から捲るのはNG。以下2つのどちらかがお勧め。
 ①横向きに剥がす
 ②下に引っ張る

■「完了」の定義
・完了の定義は更新されることもある。(厳しめの方向のみ)
・最低限守れそうなものから始めて、広げていくのが良い。

■妨害リスト
・(個人的に、これはいいなぁ、と思いました。)
・非公式だがよく知られたもの
・空調が効きすぎるのでなんとかしたい、コードが邪魔、椅子が動きすぎる、etcを挙げておく。
・スクラムマスターが管理、優先順位の高い障害から取り除く。

■Scrumで定義されたイベントの特徴
・定義化されていないミーティングの必要性を最小化する。
・逆に、Scrumに書かれているものは必ずやる。書かれていないのは必要ならやる。

■スプリント計画ミーティング第一部
・スプリントの2.5%の時間をかけてもよい。40hだと1h。
 (2.5%って具体的な数値が決まってるのかぁ。知らなかった。目安になりそうですねぇ)
・見積もりは、基準値を決め、整数で考える。迷ったら大きい方を取る。
・1,2,3,5,8,13の6つのポイントを使う(フィボナッチ数列)。これはトランプで代用できる。
・プランニングポーカーで、全員が提示した数値が隣り合う数字だったら、大きい方に寄せて完了。
(同じ数字になるまでやらなくてもいいらしい。初めて知った)
・1回目で全員が同じ数値を出した場合、根拠を話し合う。なぜなら、それぞれが提示した根拠が被ってなかった場合、そこが考慮漏れになってる可能性があり、そのぶん見積りが増えることがあるので。
・カードじゃなくてもよい。紙一枚を用意して、全員が指を指すことで代用できる。

■KPT

・Tryは挙げすぎても現実的じゃないので、できるもの優先で。ただ、最初はあんまり気にせず挙げてよい。
・Problemは、それを解決するためのTryを考えて入れる。Tryに挙げた項目は次のスプリントで実践する。


■ワークショップ編
by 今給黎さん、関さん
第11回 scrum boot camp in NII ワークショップ from Takashi Imagire


ワークショップはチームで行います。私のチームは4名でした。
ちなみに、昼食もチームで外食に行きました。これもとても楽しかったですねー。
チームメンバーからいろんなお話が聞けて、これぞ社外勉強会の醍醐味です。
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話は戻って、最初のワークショップはペーパープロトタイプの作成です。
これ、POStudyでも以前テーマになってましたね。私も参加してやったことあります。
私は復習ということで、今回も楽しく紙工作しました。
幼稚園児の頃は紙工作が大好きで、よく先生から褒められました。懐かしくもあります。

以下はP.21の「一括選択」のペーパープロトタイプ。クリアファイルを使うトコがミソです。
20130615_scrumbc2.jpg

次は、「しりとりマンダラート」というのを使ってWebサービスの題材をチームで考えます。
P.26の用紙に書いていくんですが、このプラクティス、初めて知りました。
予想外にいろんなアイデアが出てきて、こんな手法があるのかぁ、なるほどなぁ~、と感心したり。

そのあと、各自で出したアイデアをチームで議論し、そこから1つを選択。
んで選択したそのWebサービスをペーパープロトタイプで開発します。もちろんScrumで。

このワークショップ、面白いですねぇ。みんなでワイワイガヤガヤ。
PO役にヒヤリングしてバックログ書いたり、先にやったペーパープロトの知識を応用してモノづくりしてみたり。



最後に、Scrumで開発したペーパープロトのシステムを使って、各チームでプレゼンします。
ちなみに参加者全員で採点も行うのですが、ウチのチームは同率で一位でした!

ウチのチームの模造紙&ホワイトボードはこんなカンジ。良いチームだった!
20130615_scrumbc1.jpg


★感想:
とても有意義な1日でした!
Scrumを体系的に学べましたし、ワークショップでワイワイやって、とても収穫の多いイベントでした。
エンジニアなら是非、一度は参加したほうが良いと思います。オススメ!
純粋に、楽しいってのが素晴らしいですね。しかもこれで参加費たった300円とかw

個人的には、Scrumの曖昧だった知識を補うことができたのが良かったです。感謝!

最後に講師の皆様、スタッフ様、チームメイトさん、参加者のみなさん、ありがとうございました~

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