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要求開発アライアンス 3月定例会『アジャイルとスクラム、要求開発に必要な実践知リーダーシップ』に参加しました

2013/3/21(木) 要求開発アライアンス 3月定例会『アジャイルとスクラム、要求開発に必要な実践知リーダーシップ』に参加してきました。

DoorKeeper(告知サイト)
http://redajp.doorkeeper.jp/events/2876

場所は東新宿の日本総合システム株式会社さんで、参加者は40名くらいでしょうか。
ちなみに私、要求開発アライアンスは初参加です。
単純に、平鍋さんがアジャイルとスクラムのテーマで話すということに興味があり、参加申し込みしたのです。

以下、平鍋さんの口頭説明を中心に、自分用メモ。


Nonaka's Scrum, Phronetic Leadership and Requirements Development from Kenji Hiranabe


■日本の中にある良いものが海外で抽象化されて、ソフトウェア開発に使われている。(トヨタのカンバンとか)
・でも、当の日本人はアジャイル開発が進んでいない。
・それが悔しくて、「日本にはこんな面白いコンセプトがあってアジャイルが生まれたんだ」と言いたい。
・日本に自然にあるコンセプトで日本人が得意としていることを言いたくて、本を書いた。
・1回目はインドで話してきた。日本で話すのはこれが始めて。
アジャイル開発とスクラム 顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメントアジャイル開発とスクラム 顧客・技術・経営をつなぐ協調的ソフトウェア開発マネジメント
(2013/01/18)
平鍋 健児、野中 郁次郎 他

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■今日のアジェンダ
1. Scrum
2. SECIモデル (これについては、野中先生と同じくらい熱く語れる)
3. 要求開発と実践知リーダー

■アジャイルソフトウェア開発スクラム
アジャイルソフトウェア開発スクラム (アジャイルソフトウェア開発シリーズ)アジャイルソフトウェア開発スクラム (アジャイルソフトウェア開発シリーズ)
(2003/09)
ケン シュエイバー、マイク ビードル 他

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・最初のスクラムの本。読んだことある人少ないかも。

■6/38ページ
論文「The new new product development game」
・newがなぜ2回つくか → 2個目のnewは、Productにかかる。new [new Product].
バトンを渡すリレーのようなのはダメで、ラグビーのスクラムのようにやりましょう。

■7/38ページ
Phaseの絵
・Type A: フェーズゲートを設けている。開発フェーズがきっちり分けられている。
・Type B: 開発フェーズの境界の凹みが少ない
・Type C: 開発フェーズが重なって、一体化している。

■8/38ページ
・楽天の川口さんが書いた絵「Agile and Lean」
・左の方にはトヨタ生産方式がある。
・Scrumは「The new new product development game」から引用している。
 → 野中先生の論文がScrumに影響を与えている
・XPもScrumもPatternsコミュニティから影響を受けている。
→ Scrumも最初、パターンの形でかかれている。XPも明らかにパターン言語。
 → 建築のパターンをソフトウェア開発に持ってきたのがケント・ベック。
・右側はアメリカとイギリスが中心の流れ。
・日本は強い影響を持っている。でも、日本人はコンセプトをコンセプトとして表現するのが苦手。
・英語でコンセプトを作り上げるのが大事。

■9/38ページ
・ジェフ・ザザーランドは空軍の経験がある。野中さんも海兵隊の本を書いている。互いに近い。

■10/38ページ
・左が野中さんの言葉で、右がソフトウェア。
・1991年 知識想像企業
・1994年 スクラムマスターという言葉をつくって役割を作った。ただ野中さんの方にはそういう言葉はない。
・2001年 アジャイルマニフェストの年。スクラムの最初の本が出た。
・2012年 Software in 30 days という角さんの本が出た。経営者向けの本。

■11/38ページ
野中先生
・Scrum: リレーからラグビーへ
・SECIモデル: 知識は、暗黙知と形式知の変換活動のスパイラルの動きである。
・第三の知 = 実践知

■13/38ページ
SECIモデル
・知識想像は暗黙知と形式知の相互変換作業である

■14/38ページ
・言葉にできなくても人間は知識を得ることができる → 暗黙知
・自転車ののり方なんかは暗黙知の典型的な例。あと畳水泳とか。
・一緒にその活動をしないと伝わらないのが暗黙知。

■15/38ページ
・言葉に書くことができる知識 → 形式知
・数学は形式知の典型。人類が作り上げた究極。コンテキストを越えて正しいことを伝える。

■16/38ページ
・会社にクレーム処理が上手な人がいるとする。それは紙にかけるものもけっこうある。
 → 紙にかいてノウハウ集にすると形式知になる。

・知らない人がそれを読んでやってみて、身に付ける。これが形式知から暗黙知の変換。
 → これが回っている。

・人間は形式知よりも圧倒的に多くの暗黙知を持っている。

■17/38ページ: 組織知識想像の行為
・この4象限の絵が今日のキー。

■17/38ページ: 共同化(S)
・暗黙知を暗黙知に変換する。
・経験とか実践によって、人に何かが伝わる。
・一人が活動することによって複数人に伝わる。
・共感、みたいなもの。もらい泣きとか。
・SocializationのS。

■17/38ページ: 表出化(E)
・ひょうしゅつか、と読む。
・暗黙知を形式知にする。
・言葉にすることによって伝える。
・ExternalizationのE

■18/38ページ: 連結化(C)
・形式知から形式知へ
・2つのアイデアを混ぜ合わせたりとか、それで新しい言葉を産み出す。
・編集したりとかして新しい知を産み出す
・CombinationのC

■18/38ページ:内面化(I)
・Internalization

■18/38ページ
・S→E→C→I。これで一周して自分に戻る。このループ。
・軸としては個人と多数。それと暗黙知と形式知の軸。その4パターンで定義されている。

■19/38ページ
・松下ホームベーカリの物語


・田中郁子氏(ソフトウェアエンジニア)の例

・パナソニックで、複数の事業部が合体して、電化調理事業部が出来た。
 → 自動パン焼きができないか、と考えた。それで「私にやらせて」と会社に言った。この言葉が重要。

秀逸なのは、パンで有名なホテルに自ら修行に行って、暗黙知を吸収してきたこと。
 → 生地をこねるだけじゃなくて、ひっぱる動作が重要だと気づいた。

・パン焼き名人の暗黙知を形式知にした。

・知識の想像活動が起こった例と言える。

■20/38ページ 「SECIモデルとアジャイルプラクティス」

■Socalization
・Sprint Demo
 - ジェフ・サザーランドは「デモしないなら死んでしまえ」とまで言っている。それほどデモは重要。
 - 暗黙知を目で見えるようにする。

・Visit Users
 - 実際のお客さんの現場を必ず見学しなさい。訪問して一緒に仕事しなさい。
- これが最近重要なプラクティスになっている。体験して、暗黙知を暗黙知として理解する。

・Pair Programmingはかなり弟子入りに近い。

・Sit Together
- XPに入っている。お客さんと一緒の部屋でやりましょう。

■Externalization
・アジャイルでは「Story Writing」は薄く薄くする。必要なら会話せよ。

・XPのプラクティス 「Coding Standard」
→ みんなが持っている暗黙知を書いてしまいましょう。

・Daily Standup
→ みんなの暗黙知、もんもんとしたのを出して形式知にする。

・Retrospective(振り返り)
 1スプリントやってみて、良かったこと、悪かったことを話す。

■Combination
・書かれたものを集めてスプリントプランニングする。

■Internalization
・学習に関するものはすべてココ。
・なにかを自分の体で学ぶこと。

■SECIモデルを使うと、アジャイルの多くのプラクティスがいろんなレベルで起こっていることがわかる。

■21/38ページ
・本の結論の1つ。「アジャイルは知識想像マシンである」

・知識とは
- 製品とかユーザに関する知識
- ソフトウェアの作り方に関する知識(成長するチームを作る)

・アジャイルとは
 - 動くソフトウェア
 - その知識を内部に蓄えたチームができること。

■23/38ページ
・SECIモデルを回すリーダーシップが、実践知リーダーシップ。

■フロネシス = 実践的知恵

■25/38ページ: アリストテレスの3つの知
・エピステーメー = 形式知
・テクネー = 暗黙知
・どちらにも当てはまらない知 = フロネシス。エピステーメーとテクネーを往復する

■26/38ページ: 実践知リーダーシップの6能力
・6能力の中で一番大事なのは「②場をタイムリーに作る能力」

■28/38ページ: 対象に棲み込む
・野中先生がいつも言っていること。
・地面に手を当てて、ライダーの気持ちになる。
 → ライダーがこのカーブで何を感じているかを手で感じ、暗黙知として持って帰る。

■29/38ページ; その場で概念(コンセプト)を紡ぎ合う
・掴んで持って帰ってきたものを、エンジニアと一緒に腰を下ろして絵を描く。
・会議じゃなく、その場でやっている。急にやってきてアドリブの中でやる。


■30/38ページ: この開発フェーズの図で伝えたかったこと
・Type Aのフェーズの切れ目で、会った事が無い人に作業を放り投げて上手くいきますか?ということ。
・最後まで関われ。設計や開発だけでなく、販売までやれ。
・これがスクラムのプロダクトオーナーの仕事なんだ。
・決して、書いて渡すな。一緒に走りきれ。

■31/38ページ
・考えることと、やることを分けてはダメ。
・doとthinkが一体となってやることが実践知。

・オチ → 「知的体育会であれ」

■32/38ページ: コタツモデル
・考える人とやるひとが一緒にいないとダメ。
・その場で、いまここで、話をする。これをやれるかどうかが実践知リーダーの要件。

■35/38ページ
・海兵隊は、常に陸・海・空の3つの要素を組織レベルでもっている。中隊でも小隊でも。
 常に3要素を持ち合わせている。3人の場合でも。

・新製品開発でも、一緒。顧客・技術・経営の3つを繋ぐ必要がある。

・異なった視点を持った人が集まってチームになるのが重要なんだ。

・プロセスじゃない。人を乗り物にした知識の伝達活動。

・壮大な伝言ゲームを紙に書かずに人に運べ。


■37/38ページ
・ジェフサザーランドと野中さんの初対面の場にて。
・そこでQ&Aが行われた。
・Q:「ステークホルダーがたくさんいる中で、考えをまとめてバックログにするにはどうしたらいいか?」
 → ジェフはその回答を野中さんに振った。
 → 野中先生はA:「合宿をしなさい」と言った。スゲー言葉だと思った。

■PDCAはダメ。
・PLANは書かれたものだろう。書かれたモノを持っていっても、誰も共感しないだろ!
・PからじゃなくてS(SECIモデルのS)から始めろ。



■ディスカッション
約1時間の平鍋さんの講演の後、10分休憩。そのあと40分ほど質疑応答の時間が取られました。

Q1:
SECIモデルについて。ぐるぐる回る中で、なぜSがここにあるか。

A1 by 平鍋さん:
知識想像がポイント。IからEに結んでしまっても共感が得られない。
個人のデータでなく思いを他人に伝えることから始める。正しいかどうかは関係ない。
信念があれば良い。それがないと新しいものはできない。
---

Q2:
暗黙知を形式知にするところで、Eを越えてCのところまでのものを作っちゃいそうな傾向があるのでは、
と思っている。

A2 by 平鍋さん:
SECIモデルはすっきりはまるものではない。なるほどなぁ、と思えればいいのでは。
経営の計画を作るときに、紙に書かず、付箋とホワイトボードに書くのが好き。
まだ書かれていないものを紡ぎ出していく、その場を共に作るのが好き。
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Q3:
アイデア主導なのか戦略主導なのか。
モデルにアイデアが無いものは、モデル同士をいくつ組み合わせてもダメ。アイデアは暗黙知から始まる。
アイデア主導だとやりやすいが、会社だと戦略主導でやらざるをえない場合もある。
根本的に間違ったヒヤリングをやると、要件が爆発する。
物事を決めたりするとき、アイデア主導なのか戦略主導なのか。

A3 by 平鍋さん:
野中さんはアイデアと呼ばず「思い」と言っている。
価値を手探りしながら価値を言葉で表現していくのが大事だと感じている。
表出化することによって価値が共感、実感できると考えている。
みんなに響く言葉を作ることは大きい価値。
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Q4:
アジャイルは進化しているか。

A4 by 平鍋さん:
進化していない。
最近はUXとかモチベーションとか、組織にどう組み込むかとか、そういう概念が増えている。
明らかにあるのは、スケールさせる、ということ。
スクラムオブスクラム、とジェフ・サザーランドは言っている。
結局、どこかで不整合がおこる。その接点が上に移動している。
仮説が検証されなければ、それは価値として認識されない。



・人間は30歳台に経験した衝撃的なことは一生やる、というのがある。平鍋さんはそうららしい。
・戦後の、トヨタやSONYの経営者の成功モデルは、今だと違うものになっていると思っている。



★感想:

すげー心に響く言葉がいくつかあった。上で太字にしている箇所。
改めて再認識したこともあったし、新たに気付かされたことも多かった。
というか平鍋さん、深い知見に基づいたトークと進行で、プレゼン上手いなぁ、と改めて思った。
大変有意義な時間を過ごせて、参加してよかったなぁと思いました。

今後もチャンスがあれば要求開発アライアンスとか平鍋さんのセッションを聴講したいと思います。
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