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「Enterprise User eXperience Design -ユーザー中心設計の実践 -」に参加しました

2013/1/21(月) 「Enterprise User eXperience Design -ユーザー中心設計の実践 -」に参加してきました。

DoorKeeper(告知サイト)
http://devlove.doorkeeper.jp/events/2407

Togetter
http://togetter.com/li/442836

場所は麹町のKDDIウェブコミュニケーションズです。
参加者は30名位でしょうか。

講師は日立ソリューションズの柳生さんです。スライドはこちら。
20130121_UX.jpg
(↑クリックすると資料に飛びます↑)

資料のダウンロード先:
www.hitachi-solutions.co.jp/forum/download/tokyo.html

PDF:
http://www.hitachi-solutions.co.jp/forum/tokyo/vol62/pdf/pb_seminar62_2.pdf


最近、UXという言葉を聞く機会がとても多くなりました。
先日11/8(木)には、Devloveのイベント「Enterprise User eXperience Design - ユーザー中心設計の実践 -」にも参加して、そんときはブログにも書きました。コチラ
あと、12月のDevlove2012でもUXのセッションがあり、黒須先生のお話を聴講しました。
弊社でも、UXのイベントを○○に実施する、みたいなメールが社内MLで飛んできたりと、身近なところでもUXを目にするようになりました。

ということで、ちょうど今回もUXがテーマですし、参加することにした次第です。
あと、今日の講師の柳生さんのお話にも「親会社」という言葉が何度か出てきましたが、私、ソコの社員なのです。。。
やっぱ同じグループ会社のUXの取り組みがテーマということもあり、なおさら興味がありました。


以下、講演の資料にない柳生さん口頭説明部分を中心に、自分用メモ。



■Devloveの紹介
  • 2/20にDevloveで「実践反復ソフトウェア開発」というテーマのイベントをやる。(個人的に楽しみだ)


  • Devlove2012で鈴木雄介さんが「ソフトウェア品質モデル」というのを紹介していた。こんなの↓
20130121_suzuki.jpg
→ そこで紹介されていた4つを、バランス良くこれからはやっていかねばならない
→ Devloveでは、今後のイベント毎にどれをにフォーカスしてるのか、毎回言うことにした。
→ ちなみに今回は「利用時品質」がテーマ。


■柳生さんによる講演
  • UXの例:アイスブレイク.infoより

http://icebreak.blog102.fc2.com/blog-entry-102.html



真ん中の文字は、縦で見ると13に、横で見るとBに見える。
→ 人間には、前後の情報からものを判断する、という特性がある。
・文脈効果
・認知の仕方
→ これがUXの根底。人間中心設計。

  • 自己紹介:昔、ITブラック四天王と呼ばれるような会社にいた。

  • 資料:P.8
当時はUXという言葉はなかったので、ユーザビリティと呼んでいた。

  • 資料:P.10
3つのポイント。これが重要。
  1. ユーザの体験に着目する。
  2. その体験を豊かにすることを考える。
  3. 結果として、付加価値の高いモノやサービスが作れる。
例:コーヒーを飲む体験で考える。
  • 缶コーヒー: 手軽
  • スタバ: お店の雰囲気がくつろぎを狙っている
  • ホテル: 行き届いたサービスと景色がよいところ
→ 付加価値の違いが見えてくる。これがUX

  • 資料:P.11
UXだけでなく、ユーザビリティとアクセシビリティも大事。
高齢者とか障害者が使えるようにしていくのがアクセしビリティ。

  • 資料:P.12
UXでは、「誰のためのものですか?」「その人にとってどうなれば使いやすいのか、嬉しいのか」を考える。

  • 資料:P.13
パスポートの電子申請は今はできなくなっている。e-Taxも使われない例の1つ。
ITPro 「利用者視点に欠けていた行政サービスの実例--パスポートの電子申請」 財務省が公表、「旅券の電子申請は一件当たり費用が1600万円」
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20060713/243238/
パスポートの電子申請が使われない原因 → 申請に住基カードとカードリーダーが必要。
UXが考慮されなかった最たる例。

その反省として、2009/7に電子政府ユーザビリティ・ガイドラインができた。
実際はあんまり進んでないようである。ただ公共系の人は押さえておく必要がある。

  • 資料:P.14
使いにくさは慣れれば問題ないかというと、新人がまた使いにくい思いをして慣れるまで時間かかる。
→ 大きな問題。

  • 資料:P.16
ISO9241-210では、計画を立てたあと、4つのステップを回す。
1.「利用状況の理解と明示」:現場を明らかにする。
2.「ユーザー要求の明示」:ユーザがどのような要求を持っているのかを明らかにする AS IS調査。
3.「ユーザー要求を満たす解決策の作成」:どうすればユーザの要求を満たせるのかを考えていくところ。
4.「要求に対する設計の評価」:自分達が考えた対策がマッチしているのかをしっかり評価する。
→ 会社で推奨しているが実践はできていない。これからやるとこ。

  • 資料:P.17
最近はUXの費用対効果を示すことは無理なんじゃないか、と考えている。社内でも説明するのが難しい。

  • 資料:P.19
エスノグラフィのことを「行動観察」と呼ぶ企業もある。
ビデオカメラでお客様の作業を撮影するのは、お客さんの理解がないと難しい。
マウスを動かせる面積が少ない作業環境で、マウスをたくさん動かす操作が必要となるシステムがあって、そのときはエスノグラフィでその問題点に気付けた。

  • 資料:P.20
エスノグラフィの難易度は高く、できるまで3年かかる、という意見もある。言葉より行動。

  • 資料:P.21
グループ・インタビューの対象は、これから作ろうとしているシステムのエンドユーザ。(聞きに行く)
エンドユーザ4,5人に集まってもらって、いろいろ聞く。WEBサイトとかあれば、実際に見ながら話を聞く。

  • 資料:P22
グループ・インタビューでは、質問の深堀りをしていく。なぜなぜ。なぜ?を2回は繰り返す。

なぜ2回なのか。
→ 聞きすぎると詰問されていると感じる人がいる。
→ 弟子入りした感じで相手を師匠と思って聞くと聞き方がやわらかくなる。

  • 資料:P.24
ペルソナは、この人のためにいいもの作ろう、という思いを全員で共有するのが重要。
ペルソナに氏名とかも与えて、顔写真も用意して具体化する。
ペルソナは作って終わり、じゃなくて、「この人のために!」という思いを共有するのが一番重要なこと。

  • 資料:P.26
論文公開サイトを使うのは大学の先生。ただ企業の研究者もいたりするので、違う観点で4名分のペルソナを作成した。。
→ ペルソナとシナリオを使って、お客さんを交えて議論した。
→ お客さんに好評だった。あと仕様がブレなかった。

  • 資料:P.27
インスペクション評価は、仕様を確認できるものがあれば、すぐできるところがポイント。
ただ専門家が必要なので難易度は高い。

  • 資料:P.29
ユーザビリティ・テスティングでは、あえて「テスティング」という用語を使っている。
→ これは、「単体テスト」とか、その「テスト」とは別ものだと理解してもらうため。

ユーザに操作のシミュレーションをやってもらう。エンジニアはお客の隣に座って、お客さんに指示し、お客さんに実際に操作してもらう。
→ エンジニアはお客さんの感情とかしぐさを見る。
→ お客さんは考え込むとだまってしまう。そのとき、今何を考えていますか?、と聞く。

  • 資料:P.30
ユーザビリティ・テスティングの専用の設備がある企業もある。
→ 部屋がマジックミラーとかで仕切ってあって、お客さんとエンジニア側が分離されており、お客さん側からはエンジニア側が見えない。この状態でお客さんに操作してもらう。(お客さん側の、監視されている、という意識を軽減できる)
日立ソリューションズだと、二部屋を用意して、延長コードで部屋を繋いで、モニタ越しにやっている。
→ お客さん側の「見られている」という意識を軽減でき、テストに集中してもらえる。

ユーザビリティ・テスティングをやってみると、開発者はかなりへこむ。
→ ユーザは言いたい放題言うので。。。でも第三者の視点を気づくことが多くて、非常に好評。

第三者の視点が非常に重要。で、何人を対象にすればよいか、というと、5人。
→ UXで著名なヤコブ・ニールセンの経験より。

  • 資料:P.33
日立ソリューションズのUX施策の取り組みの成果
→ ソフト開発だと、エンジニアはユーザと接する機会がほぼない。これが変わった。
→ ただ、人に興味が持てない人は難しい。人が好き、って人じゃないとダメ。
→ 開発が好き、って入社してきた人はUXはやっぱだめだった。



■Q&A

Q1.
新日鉄住金ソリューションズに所属しているが、UXが実案件に繋がることがなかなかない。
実際、お客さんにはUXにお金を使ってもらわなきゃいけない。
どういう案件だとこういう提案がとおりやすいか?

A1.
自社製品の開発案件が良いのでは。研究開発とかも説得しやすい。
受託開発だと、お金の面で理解してもらえない。提案までは行くが、受注までは行かない。
---

Q2.
UXセンターを作るとき、社内で啓蒙活動とか偉い人を説得することをやったとおもうが、どうやったか?

A2.
組織を作る、という所については、棚ぼたで出来ちゃったのが正直なところ。
親会社の日立から日立ソリューションズにUXの人が来て、その人がこーゆうことやっていこう、という話になった。
---


Q3.
UXのデメリットに費用対効果が示しにくい、というのがある。売り上げに直結しないという問題に対し、上司にツッコまれたときにどう説明するか?

A3.
ネガティブな数字を見せる。
今○○だけ悪いんです。それを改善するとこれだけ改善できるんですよ!という話にもっていく。
「削減」という言葉には経営者は敏感なので、いいかも。


■ダイアログ
ウチの班は4人でしたが、ダイアログのネタとして以下が挙がりました。
1.ペルソナの作り方
2.エスノグラフィをやる現場に行けるのは一部の人だけ。それをプロジェクトにどう持って帰って共有するか。
3.インスペクション評価において、意見の集約をどうするか。(声の大きい人の意見に流れないようにするには?)

1.ペルソナの作り方
ペルソナで想定する人をシミュレートするのが難しい。同じイメージを共有するにはどうしたらいいか。。。
ペルソナは、対象を予想して作るのはよくないのではないか。
ペルソナは、対象者の人の好みとか趣味まで決める。
特に開発の後期になると、都合のいいペルソナを作り始める。
ペルソナの対象は一人でもいいのかも。ペルソナは共有イメージを持つことが目的なので。

2.エスノグラフィをやる現場に行けるのは一部の人だけ。それをプロジェクトにどう持って帰って共有するか。
エスノグラフィは難易度が高い。誰でもできるわけではない。
→ 訓練を受けた人が現場に行くべき。特に、ユーザインタフェース設計に近い人が良いのでは。
→ で、そこで出た情報をどう共有するかが重要。


3.インスペクション評価において、意見の集約をどうするか。
声のでかい人の意見がとおってしまうのではだめ。
ペルソナを持ち出して説得するのがよいのでは。今回想定しているペルソナは、これを望んでいるんですよ。という説得の仕方。


他の班で出たダイアログの議論共有

マクドナルドの60秒ルールについて
商品がぐちゃっとなって出てきて、がっかりした。(店員が急いで作るので)
たかがマクドナルドでも、商品の期待値がCMに含まれている。
写真とかで表示されている商品の姿が期待値としてあるので、その差にがっかりする。
本質的要求と付加価値という部分に差異があると、満足度は下がる。

by 柳生さん
期待値をコントロールすることは大事。
期待値が最初から高いと、お客さんをがっかりさせることがある。期待値が程良いとはどうあるべきか、という研究がある。どこに提供価値があるか、を考える必要がある。

UXを売るためには
まだUXを売る段階に来てない。受託開発なのでお客さんに提供して対価を得られることが必要。
そのために、定量的な数値を出していきましょう、という話をした。

お客さんの方からパラダイムシフトが起こって、お客さんの方からUXを求めるようになれば変わるのでは。
今後、UXが認知されてきたときに、我々が答えられるようにしておかなければならない。


エンタープライズならではのUX
UXとかはコンシューマ分野だと多いが、エンタープライズには特有の特性がある。開発のモデルだったり顧客との関係性だったり。どうやったらそこにUXを重ね合わせられるのか。

日立ソリューションズも受託じゃなく社内からUXをやってる。受託でもできるところからUXをやっていく。お客さんから「UXの話を聞かせてくれ」という話が最近は来ることがあるので、そういうところからとっかかりにしていく。

UXがお客さんの心の余裕に繋がっていくことがある。
自分達エンジニアがUXの大事さを感じられないと、お客さんにUXを進められない。
ディズニーの従業員はディズニーが好き、という統計もあるように、自らUXのありがたみを感じることが重要。


UXのノウハウの蓄積方法
日立ソリューションズでは、会社としてUXに取り組む、ということを運よくやってもらえた。
親会社の日立製作所のデザイン本部がUXに取り組んでいたので、それを教えてもらった。
次に、あるプロジェクトに協力してもらってUXの施策をやった。
次にUXを実践しようと思って、自社で協力してもらえる人を選んで、ユーザビリティテストをやってみた。
そのような形でUXのノウハウを蓄積してきた。
HCD-Net(人間中心設計推進機構)に参加してみるとかも良いのでは。
産業技術大学院大学でもUXの講義がある。お金と時間が必要となるが、有効な手段の1つ。
HCD-Netは学問が付いているのが特色。
ゲーム業界は、UXはすごく進んでいるけど体系化されていない。そういう残念な状況があるので、アカデミックに知見をまとめているHCD-Netは有用だと思う。


最後にDevloveからお知らせ
2/23にHCD-NetとDEVLOVEとゲーム業界でイベントをやる予定をしている。テーマは「テスト」


★感想:
同じグループ会社のUX紹介、ということもあって、大変興味深く聴講させていただきました。
ダイアログで議論した、ペルソナを如何に作るか、という話もいろいろ考えさせられましたねー。
いずれにせよ、UXを意識して設計をする、ということが重要だと思いました。妥協するともうダメですね。


柳生さんpapanndaさん始め、運営&会場提供者さん方々ありがとうございました。


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