DoorKeeper(告知サイト)
http://agilepmwithscrum.doorkeeper.jp/events/2215
場所は楽天タワー2号館です。参加者は20名くらいでしょうか。
以下の書籍をターゲットとした読書会なのです。
![]() | ■ 名称:スクラムを活用したアジャイルなプロダクト管理―顧客に愛される製品開発 ■ 単行本: 139ページ ■ 出版社: ピアソン桐原 (2012/11) ■ ISBN-10: 4864010978 ■ ISBN-13: 978-4864010979 ■ Amazon:http://www.amazon.co.jp/dp/4864010978/ |
アジャイルやスクラムといった本は最近よく見かけますが、プロダクトオーナーに着目した書籍というのは珍しいですよね。
ということで、何か別の観点で新しい気づきが得られるのでは、と思い参加することにしたのです。
「第1回 読書会in東京 - スクラムを活用したアジャイルなプロダクト管理」エクストリームリーディングの手法を使って読書会を開催中です。 p.twipple.jp/jXpAY agilepmwithscrum.doorkeeper.jp/events/2215 #postudy
— fullvirtueさん (@fullvirtue) 12月 21, 2012
↑は主催者の @fullvirtue さんの写真付きツイートです。

■資料
今回はエクストリームリーディング、という方法で読み進めました。
■エクストリームリーディング
- 全員が黙々と読みます。
- 読み始める前に、ここまで読み返しましょうと合意をとります。
- 読んでいる途中に分からないことがあったらいつでも互いに聞いて構いません。
- 読み終わった人は「終わった」と宣言します。
- 早く読み終わった人は、次を読んだり、自分有りに内容をまとめたりしておきます。
- 読み終わったら、内容を誰かがまとめます。
- 議論が長めになる傾向があるので、ほどほどで打ち切るようにしましょう。
- 時間管理が必要です。
- 発展的な議論を行うというよりは、本の内容を正確に理解しようという形の議論になります。
- 以上のように、読み→議論を繰り返すことになります。
今回の読書会で多くの気づきを得ることができましたが、いくつか書いてみます。
■チーム分け
最初にチーム分けをしましたが、今回は同じような経験値を持つ人が5人ずつ集まるよう、チームを組みました。
まず、部屋に全員で一列に並びます。POやスクラム、アジャイルの知識が深い人から前の順です。
んで、前から5人ずつ、チームを作っていきます。
こうすることで、アジャイルの経験が低い人がチームの議論から取り残されることが無くなります。
またバックグラウンドが近い人が集まるこので、より一層深い議論ができるようになります。
私が参加しているアジャイルサムライ横浜道場の読書会では、経験値がバラけるようにチーム分けしますが、今回のような分け方もあるんだなー、という点が気づきでした。
■読み進める速度
最初、@fullvirtue さんの「15分で15ページ」という配分に従って読み進めたんですが、全然時間が足りませんでした。
その後、@fullvirtue さん曰く、これには以下の狙いがあったとのこと。
① まず15分でやってみることで、この読み進め方が正しいか間違っているかが早くわかる。
② 自分の作業量を見積もらずに作業を進めるとどうなるか、を知ってもらう。
①ですが、いかにもリーンスタートアップ的な考え方ですね。
今回は15分で15ページという配分でしたが、どうやっても無理でした。
この間違ったやり方に最初の15分で気づくことができたおかげで、残りの読書会の時間を無駄にせずに済みました。
早く間違いに気づいて、ピボットするチャンスを得たわけです。
むむむ。。。単なる読書会と思いきや、いきなり深い気づきを得られるヒトトキ。
②ですが、主催者の @fullvirtue さんが言った方法だからということで、何の疑問を持たずに「15分で15ページ」という無理な設定で全員が読書を開始しました。つまり、自分の読み進める能力を考慮せずに開始してしまったことになります。
@fullvirtue さん曰く、最初の説明を受けたときに「無理」だと気づかないとダメ!とのこと。
・・・反省。
ちなみに読書の適度なスピードとしては、日本語だと15分で5ページ、英語だと15分で2ページくらいだそうです。
■当日読書方式
この読書会は事前に読んでくる形式ではなく、当日黙読してから議論する方式を取るとのことです。
これは、事前に読んでくると、疑問点が出ても読書会当日までに忘れてしまうからだそうです。
読書会当日にその場で読むことで、湧いた新鮮な疑問に対し即座に議論できる。これが良いとのこと。
ちなみに私、アジャイルサムライ横浜道場、という読書会にも参加してますが、こちらも同じ当日読書方式です。
横浜道場は音読方式ですが、当日に読み合せすることで、いちばん脳に残った状態で議論に入ることができます。
また、全員の進捗が合う、という利点もあると思います。
■本を探す時のヒント
「本を探す時は、最初と最後を読むと良い」という話題が出ました。一般に言われていることだそうな。
今日の読書会でも書籍冒頭の「推薦文」から読み始めました。ココに良いことが書いてある、とのことでした。
■読書中にわからない単語は付箋に書き出す
読書中にわからない単語は付箋に書いておきチーム内で確認し合う、ということもやりました。
これ、良いですねー。
普段はわからない単語が出てきてもなんとなくスルーで読みすすめてしまうことが多いですが、「よくわからない単語がないか」を意識して読むだけで、熟読の深さが格段に上がった。これは良い気づきでした。
■「Doneの定義」を最初に決めて読み進める
今回、「Doneの定義」を決めて読み進める、というのをやりました。
読むと決めた範囲をチームで読み進める前に、何をもって今から読む範囲が「終わった」のかを決めます。
この範囲を読んだら、チームとしてどういう形で何を纏め、他のチームにどうシェアするのか、です。
これをやることで、漠然と読むのではなく観点を絞って読み進めることができるようになります。
これも良いですねー。
昨日今日と満員電車で死にそうになりながらこの本読んでたんですが、理解度がぜんぜん違う気がします。
■重要な文を付箋に「ページ番号と行番号を書き出す」のではなく「ポイントを簡潔に書き出す」
重要な文だと思った文章が読んでてあったら、付箋に「ページ番号と行番号を書き出しておく」というのも主催者さんの説明どおりやってみましたが、これはダメなやり方の1つとのこと。
議論タイムになって、短い時間に「ページ番号と行番号だけが書かれた付箋」を全員で眺めても、議論が全く進まない。やはり付箋には、太い字で簡潔にポイントを書くのが良いです。
■まとめと発表
最後にチームで纏め、発表する時間があるのも良いですね。他のチームの気づきをシェアできます。
ちなみにウチのチームの模造紙と付箋はこんなカンジ。

■KPT
もちろん最後にはチームでKPT。

写真がピンボケしてる。。。
★感想:
ただ本を読み進めるにあらず!
ということで、いろいろな気づきを得られた読書会でした。収穫です。
良い読書プラクティスが多かったですが、個人的には「途中割り込みを許す」という点については、なかなか難しいところもあるなぁ、と感じました。
というのも、自分の読書が割り込みで中断されて別の議論をした後に、すんなり前の箇所から続きで読み進めるのが意外に難しいと感じました。どこまで読んでたのかを忘れるし、直前に読んでた段落との繋がりとかが切られるので。
割り込みで議論になった箇所が、自分が読んでる箇所より先だったりすることもありましたが、「まだ俺そこまで読んでないよ~・・・」ということもありました。
この辺は次回以降に良い解が見つけられると良いなぁ。
読書の進め方メインに書いてきましたが、本の内容についてはまた次回に書いてみよう。
最後に主催者さん、運営者さん、会場提供者さん、有意義な時間をありがとうございましたー