DoorKeeper(告知サイト)
http://devlove.doorkeeper.jp/events/1955?auth_token=KtzNwSR5xptmQrC6sMfR
togetter
http://togetter.com/li/406814
場所は有楽町の「ぐるなび」です。参加者は40名くらいでしょうか。
以前Devloveでリーンスタートアップの勉強会が開かれまして、そこで非常に興味を持ったので今回も参加することにしました。ちなみに前回のリーンスタートアップの勉強会について書いたブログはコチラ↓
2012/9/21(金) 「LeanStartupNight - Eternal Rotation! -」に参加してきました。
http://makopi23.blog.fc2.com/blog-entry-19.html
んで、そんときに触発されて以下の書籍を買いました。今も通勤電車の中で読んだりしてます。
![]() | リーン・スタートアップ ―ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす (2012/04/12) エリック・リース 商品詳細を見る |
最初に、@papanda さんからDevLoveの紹介がありました。
Devloveの根底にあるもの
■HangarFlight
飛行気乗りのとって空がまだ未知で危険なものだった時代。
格納庫に集まってお互いの体験を話し合って空を知ろうとした。
・なぜ?からはじめよう。その事象の背景にあるものはなんだろうか
・答えは1つではないし、他人の出した答えがそのまま使えるとは限らない。
・ぬーんと引っかかった所を逃さずに。そこは相違があること。自分の考えの検証になるはず。
■ダイアログ
・何かを決めるためのディスカッションとは違う。
・参加者の様々な視点で、物事の意味や仮説を発見するためのもの。
・必要なことはいつもより大目の「うなづき」と「聴く耳」
LeanStartupJapanの和波俊久さんから一言
・スタートアップすべての人にやってほしい
・機械的にどんどん最初の芽を生み出してほしい。
・スタートアップ側で一番困っているのは、エンジニアがいないこと。
→ モノができない
・スタートアップ側のみなさんは、スタートアップの魅力を参加者に伝えていただきたい。
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次は、リーンスタートアップを実践されている4名の方の発表です。
■1.株式会社Pitapat 伊香賀 氏
取締役/プロデューサ
Pitapat紹介
http://pitapat.co.jp/index.html
・失敗の多い会社なので、今日は反面教師役として。。。
・Pitapatは学生4人で昨年度立ち上げた会社。
・「世界中の人々の心を動かす」サービスを作りたい。
・1月からサイバーエージェントの子会社となった。
・「Pitapt」をリリースして4ヶ月でサービスを終了した。
・今はキクシルというサービスを作っている。
1. 手がけているサービスの内容、そこに込めた信念や思い
Pitapat
・Facebook&iPhoneアプリ
・気になる人を選ぶ → ドキドキ通知が行く → マッチング通知 → わクわくトーク
・失敗に終わった。。。
2.失敗の仮説
①想定ニーズの勘違い
・想定:知り合いとの交流(友達なんだけどなかなか話せないような人との交流)
・実際:新しい出会い、繋がりを求めてた。身近に感じられる他人との交流とか。
・仮説:
スマホでの知り合いとの交流はFacebookはLineで十分。
ポストFacebookに必要なもの
→ 他人との繋がり、交流できる場、が1個必要ではないか?
②テーマとマッチしない成長エンジン
・想定:バイラルで広まる(お金をかけなくても、SNSとかで強力に広がっていくところがチャンス)
・実際:テーマが「恋愛」だったので、周りの人に言いたくない。。。
③継続率の低さ
・想定:多くの人とマッチし、またマッチした人と楽しむプラットフォームへ
・実際:マッチしてしばらくしたら飽きてしまう。そもそもマッチすることが少ない。
(1対1のサービスなので、一人が止めてしまうと続かない)
・仮説:
1対1のサービスでは難しい。コミュニティのようにみんながいて、一人でも繋がれる必要がある。
3.今考えているサービス
・サービス名:キクシル
・同じ情報でも誰が言ったかによって価値が変わる、という点が、このサービスの価値だと思っている。
・「従来のQ&Aサービス」+「どんな人が言っているのか」=キクシル
・具体的には、会社の名前とかを登録して、知り合いではない専門家の人たちに相談できるサービス。
4.リーンにスタートアップする対策
(1) A/Bテストの環境の構築
・「社内の議論<顧客のデータ」
・議論するんじゃなくて、早くデータを見ようよ、という思想に切り替えている。
(2) ブラウザベースで作るMVP
・「完璧なリリース<改善のしやすさ」
・Objective Cで開発したネイティブアプリから、PHPで開発したでブラウザベースのアプリにした。
・ブラウザベースのMVPでいろいろなサービスを最適化した後で、ネイティブ化しようと考えている。
(3) セグメント別のユーザデータ取得
・「脱・虚栄の評価基準」
・DAU(※)をKPIにしている企業があるが、危ないと感じている。
(※)
DAUとは:
SNSをはじめとするソーシャルメディアやソーシャルアプリなどにおいて、1日にサービスを
利用したユーザー(アクティブユーザー)の数のことらしい。 By IT用語辞典
・DAUを以下4つのセグメントに分割して計測した。
①新規ユーザ
②ビギナーユーザ(ログイン日数15日未満)
③コアユーザ(ログイン日数15日以上)
④カムバックユーザ(ログイン日数1日以上かつ1週間以上ログインしていない)
→コアユーザを増やすことに焦点を置いた。
以下に①②④が③になるのかという仕組みを構築しようとしている。
最後に
・自分たちは「世界中の人の心を動かす」ことができると思っている。
・MAKE YOUR HEART BEAT
・なんとかして夢を達成したい。
・私たちだけが成功するんじゃなくて、みなさんの知識を共有することで、IT業界全体の閉塞感を破りたい。
■2.リブ株式会社 工藤博樹 氏
1.手がけているサービスの内容、そこに込めた信念や思い
・エンジニアを探している。
・サービス:Merry biz(http://merrybiz.jp/)
・サービス内容:コアビジネス以外の業務をクラウドソーシングで解決する。
サービスを考えた経緯
会社を始めるのにかかる費用って。。。
・登記に必要な費用:25万円くらい
・決算書・申告書作成に必要な費用:8万~25万円くらい
→ 会社をはじめるのってなんでそんな高いのか。
理由:会計士が生計を立てるために、一社から50万円くらい貰わないといけない。
→ 中小企業は経営リソースが無い。お金も時間も無い。さてどうしよう。。。
→ メリービズが肩代わりするので、企業は本業に集中してもらう、というコンセプトで企業した。
How?
・会計サービスのプロセスを分解して、適材適所を配置することで効率化を実現する。
(現状は、それぞれのプロセスが最適化できてない)
・まるで隣にスタッフがいるかのような親身なサービスを提供する。
(会計士と話そうとすると、専門用語とか連発で大変なので。。。)
★つまり、事務作業をもっと手ごろに簡単にしたい。
→ 企業が成長をさらに加速させられるようなビジネスにしたい
2.課題と乗り越え方
・自分でなんとか調べて実施する
・周りに詳しい人がいないかを探す
・仕方なくお金で解決する
初めての決済・物流・サービス・スタジオの立ち上げを1ヶ月半で実現できた。
これができたのは、以下を実施したから。
・調べまくる
・聞きまくる
・実践しまくる
→ あらゆる手を使って課題を乗り越えてきた。
3.開発者への期待
ソフトウェア開発者への期待:その1
・今はオペレーションがヘビー。。。
→ 圧倒的に煩雑なオペレーションをスケール出来る仕組みを一緒に作り上げる
ソフトウェア開発者への期待:その2
・圧倒的ユーザフレンドリーなサービスを作り上げる
(海外だとチャットで聞ける仕組みがあったりする)
4.リーンスタートアップ事例
・メリービズの前に、コンシューマ向きのカフェ・コンシェルジュサービスをやろうとしてた。
- コンシューマ向けのカフェに特化したニッチなサービス。
- カフェの込み具合とかもリアルタイムで提供できるサービスがあったらいいな、という思い。
→ やってみた。たけどエンジニアがいなかったので、Twitterで人力で泥臭くやった。
結果:
20件くらいの問い合わせしかない。
→ トランザクションが得られなかった。
→ 計測ができなかった。。。
→ 今年の8月にサービスを閉じた。。。
コンシューマをいきなりやるのは厳しいと思った。
なぜなら、コンシューマ向けサービスは大量のデータを拾って回すことが大事なのに、
エンジニアがいない状況ではそれができないから。
自分ひとりではその仕組みを作ることができない。
BtoBならお客さんが少なくてもきちんとお金になる。ラーニングを得られる。
→ いまそちらにシフトしている。
■3.株式会社Grumee 吉国雄大氏
・グルメのサービスをやっているが、ぐるなびさんで発表することになるとは(笑
・グルメコミュニケーションアプリ「Grumee」(http://grumee.net/)
・人と人、人と飲食店、を繋ぐサービス。
・これからサービスをローンチしようとしている。
・前身
Grumeeの前は、株式会社インテリジェンスで泥臭い営業職をやってきた。
東京で良い営業成績を上げて、会社からMVP賞を貰った。
でも、やりたいサービスがあったのでGrumeeを起業した。
1.サービス紹介
・お気に入りの飲食店をマイギャラリーに登録していくセルフサービス。
・自分も友達も、マイギャラリーにお店を貯めていく
・マイギャラリーに登録した内容を、他の人とLineのチャットのような感じで共有出来る。
・Lineのようなベース機能に「ぐるなび」のサービスを載せたのがGrumeeのコンセプトである。
・サービスの特徴:
- 身近な友達がフィルタリングした信頼性の高いお店リストからチョイスできる。
- 身近な友達が、フィルタリングしてくれる。
- チョイスしたお店について、友達にすぐ聞ける、共有できる、友達を誘える、ストックできる。
・お店側
- お気に入りに登録してくれているユーザとチャットでコミュニケーションや情報提供が可能。
- お気に入り登録ユーザ限定に一括送信可能。
- リアルタイムで広告配信が可能。
- 常連のお客様、個人に向けた1対1の対話が可能。
・電話番号だけで繋がれるサービス。チャットやSNSのような要素も兼ね備えている。
・今は、Innovation Weekendというイベントに応募して、そこでの賞を目指して頑張っている。
2.遭遇した課題と乗り越えた工夫
(1) 4つの0からスタートした
・ITの知識:0
・IT関連の人脈:0
・Facebookの友達:0
・iPhoneアプリのダウンロード:0
これらを0から1や2にしていくために、以下を実践した。
・ひたすら勉強会にでるようにした。
・有料セミナーとかにも参加して、お金を投資して人脈を作った。
・人脈を作るため、Facebookのメッセージを送りまくった。
・iPhoneアプリをダウンロードしまくって状況分析をした。
これらを実践することで、4つの0が以下のようになった。
・IT関連のブックマーク:100
・IT関連の人脈:200人
・Facebookの友達:680人
・iPhoneのアプリ:100
地道な行動でここまでこれた。
まったく知識が無い中でアプリを作れるようになった。
3.開発者への期待
・常識から外れている人間でもできるんだと気付いた。(自分がそうだったので)
・でも、以下だけは思っていて欲しい。
(1) ユーザ視点であってほしい
(2) 自分が使いたいと思うか
(3) インフラとなるサービスを創りたい
(4) やりぬけるか
4.リーンスタッフに関する事例
・自分の誕生日の11/21にβ版をローンチする予定。
・ここからが私のリーンスタートアップだと思っている。
・現段階はMVPと認識している。
・1~2ヶ月はPDCAをぶち回して改善し、ブラッシュアップして来年正式リリースしたい。
■4.株式会社アゲハ 木下優子 女史
1.会社概要とストーリー
・2008年4月設立で5年目。
・きっかけは大学院進学と同時に、ユーザイノベーションという研究テーマの延長で企業した。
・価値のある商品を作りたい、という活動をしている。
・理論だけでなく具体的に実行可能なモデルを作っていく必要があるとと思っていた。
・ビジネスプランに落とし込むため、ビジネスコンテストに応募したりした。
→ 国内外で10のアワードを受賞した。
既存のメーカーさんにコンサル的に入るのはビジネス経験がないのでできないと思った。
→ バッグメーカーとして新しいモノづくりに挑戦した。
→ 今から考えると無謀だった。苦労しながらなんとか生き延びてきた。
・ワールドビジネスサテライトで取り上げていただいた。
-社員がアイデアを出すわけではない。
-商品のコンセプトからデザイン、色、大きさなど、すべて消費者の意見を採用する。
-消費者がオンラインでアクセスして簡単に提案が可能できるようにした。
-消費者からの票が集まればすぐに商品化される仕組み。
・バッグメーカーとして、バックがどうやって作られているんだろう?ということから調べた。
職人探し、生産管理から販路開拓・EC販売まで、最初の半年くらい毎日飛び込み営業を
やっていて、断られまくった。
・2年間で49点の人気商品をプロデュースできた。
・遭遇した課題:
革新的な仕組みを志向するあまり、自社でコントロールできる以上に他者の確信をアテにする
仕組みになっていた。(ユーザの声から次々にヒットが生まれる仕組み)
・乗り越えられた理由:
- 創業時から一緒にやっていた田中の一言「私はもっと頑張ってみたい」という一言に勇気が出た。
- 創業時から一貫してビジョンがブレなかった。
・2011年からFacebookを活用したマーケティング支援を強化した。
→ 新しいマーケティングを今も追及している。
2.新サービス企画概要
ユーザのアイデアから世の中を変えるような商品・サービスを次々と生み出すようなプラットフォームを作りたいと思っている。
・背景:
過去に3年間に、仕事以外の時間に、同等のものが市場にないために製品改革を行ったことがある人
→ 3.7%(係長や主任として働く人と同じ人数。割と多い人が熱意を持っている)
・この1ヶ月でも、あったらいい、という情報発信は10万件/月ある。
・ユーザ参加型商品開発の全体構造を考えたとき、ユーザに革新的アイデアと熱意を持って製品を開発してもらっても、5%しか他の人に評価されていない。
→ 取り入れるのに躊躇してしまう。
→ これを改善していかないとユーザ参加型商品は難しい。
・アイデアを思いついた人が気軽に投稿できる場所を作りたい。
それに対してすぐに反応する共感のコミュニケーション連鎖がおきていくような仕組みを
作ることによって、企業が集まってくることを前提に考える。
企業が集まれば、もっとアイデアを投稿してくれるようになり、成長できるようになる。
思いついたときにすぐその場で投稿できるような仕組み、投稿したらすぐ反応が返ってくる
仕組みについて議論している。
3.エンジニアさんに期待すること
・ビジョンに共感していただけること
・仲間として一緒にわくわく楽しめること
・技術的な視点から、サービス企画やビジネスモデルにも携わっていただき積極的に携わる人
・じっくり議論してわかりあうことをスタンスにしているので、それに合う人
Startup Dialog
ダイアログでは、参加者が気になり事項を付箋に書き出してそれをホワイトボードに張り出し、分類が似ている人たちで集まって議論を行いました。

私のテーブルでは、以下のテーマについて話し合ったりしました。
・スタートアップでサービス作るとき、エンジニアがいないなら社外から呼んできてもよいのでは?
・スタートアップをやる上で、どんなエンジニアが求められるのか。(スキル等)
実際に企業されている人の話とかも聞けて有意義でした。
最後に、LeanStartupJapanの和波俊久さんから一言
・エンジニアとしてどうなるべきか、創業者としてどうあるべきか、という肩書きが出てる時点で違和感がある。
・肩書きに応じて平行で仕事をしている瞬間は、スタートアップではほとんどない。
・イメージとしては、ベンチャーは30日出勤して、プログラマーがコーディングしているのは1日か2日くらい。その期間で、20日間かけてやるような仕事を仕上げるイメージ。
・残りの28日間は、他の人と一緒にいろいろやっているのが、良いチームである。
・肩書きを捨てて、「代打のプロ」のように2打席くらいでホームランを確実に打つプログラマが最高にイケてる人である。
感想:
間近にスタートアップで経営されている人の話が聞けたのは刺激的でした。
ダイアログの時間に、実際に起業されている方にお話を伺った際、こんなことをおっしゃっていました。
「スタートアップをやって5年かけて到達する位置に1年で辿り着くために、ビジネススクールに通った。お金を投資して早く高みに辿り着けるなら、躊躇無くその道を選ぶ。それが私のやり方だ」
大体、こんな感じのことをおっしゃっていたかと思います。
なるほどなぁー、と思いました。
あと、その方は一般企業で普段は働きながら、別でスタートアップも平行でされているとのことでした。
いわゆる副業に近い形でしょうが、これも驚きでしたね。
そういう仕組みで回せるポジショニングを考えたスタートアップにしているとのことでした。
私が普段参加しているエンジニアチックな勉強会とは違い、こーゆう勉強会も凄く新鮮ですね。
非常に刺激を受けます。社外の風を感じるヒトトキ。
発表者様、運営者様、会場提供者様、ありがとうございました。