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「アジャイルサムライ読書会 横浜道場 特別編 "アジャイルは組織を変えられるのか"」に参加しました。

2012/7/19(木) 「アジャイルサムライ読書会 横浜道場 特別編 "アジャイルは組織を変えられるのか"」に参加してきました。

PARTAKE
http://partake.in/events/8b888e57-e3d3-4703-a456-4c042bcaf429


横浜道場

今日は特別編ということで、楽天の藤原さん@daipresentsと及部さん@TAKAKING22による講演があるとのこと。
実は、今日参加する直前まで、私はお二方のことは知りませんでした。

ですが、横浜道場で以前、偶然知り合った同じ会社の方からメールが飛んできて、
「今日道場行きますか?藤原さんの講演、以前のとても良かったから今日も行きたかった」
とのことでした。どうやら、以前に藤原さんの講演を聞いたことがあったようです。
藤原さんのブログとかいろいろ紹介いただいたので、私も(就業中に)目を通して
期待を更に大きくして参加しました。




・・・まずはじめに、この日の講演の感想を言っておきたい。

マジ感動した!

お二方の素晴らしい講演内容もさることながら、藤原さんには熱い語りに引き込まれ、ちょとジーンと
きてしまった程だ。
藤原さんと及部さんの講演スライドはslideshareで公開されていますので、↓に掲載しておきます。


「アジャイルリーダーシップと組織改革 ~楽天のアジャイル開発というリアル~」 @daipresents
アジャイルリーダーシップと組織改革 ~楽天のアジャイル開発というリアル~ from Dai Fujihara


デブサミの講演スライド↑に、今日は↓が最後に追加されてました。デブサミ後のエピローグ。
アジャイルリーダーシップと組織改革 ~楽天のアジャイル開発というリアル~ エピローグ from Dai Fujihara


整理と自分への覚書を兼ねて、藤原さんの講演の流れを以下にまとめます。

社内でスピード重視派とTDD派ですごい議論になり、TDDは「最低限の範囲」でやるということに決まった。
→ この決定をこっそり裏切った
→ 好きなだけテストをやるようにした。
→ 規律が徐々に生まれてきた。
  ・まかせる
  ・チェックはする
  ・攻めの選択をする(リスクありきで攻める)
→ 3ヶ月くらいで成果が見えてきた。
  ・開発の時間: +23%
  ・ライブラリ数: 3.5倍 (5月~11月)
  ・開発に占めるUTの割合が40%までに大幅増加
→ UTの効果が凄くて、3ヶ月くらいで元が取れてしまった。
→ 今回のノウハウを社内展開しようとした。
  ・アジャイル
  ・継続的インテグレーション(CI)
  ・自動化
→ うまくいかなかった。。。
  ・雑なSIでJenkinsのAleretメールがと止まらない。
  ・伝わらない。
  ・始まらない
→ 新人研修でアジャイルやらせてみたら、うまくいった
→ 社内でできなかった理由は、老害なのでは?
  (新しい流れについてこれないエンジニアが、レガシーコードを量産し続けるみたいに)
→ うまくいかなかった原因の仮説を立ててみた。
→ 仮説:忙しい
  (砂漠で道に迷った人に「自然って大事ですよ」って言っても伝わらないのと同じ)
→ じゃあどうすれば?まず、他部署との連携をやってみて、プロセスから現場を変えようとしてみた。
  ・QAにCIを注入
  ・プロセス改善
  ・育成協力
→ 失敗。。。(一緒にやってる感が全然ない)
→ 失敗した原因の仮説を立ててみた。
  ・レポートラインが違う(部署間でそもそも目標が違う)

と、時系列に沿って行動と分析をされてました。なるほどなあ。

では、どうすればいいのか?という視点で話は更に続きます。

■成功を創る。
 → アジャイルを少しだけやってみて上手くいかなかった人が「アジャイルは使えない」と言うのが悔しいので。
■今の"普通"を全否定する。
 → 保守派や老害などに埋もれ、アタリマエと思い込んでいる考えを全否定すべし。
■見えないなら見に行く。
 → 現場に出て行って、改善をする。論より行動。

→ 現場の課題が見えてくる。
→ 実際に朝礼や見える化をやってみたり、アジャイルのイベントに行かせてみたりしたら、うまくいった。
  (スピード感が出て、何よりも楽しいし、みんなで解決するという一体感が出た)
→ でも、やるだけではダメ。藤原さんのようなリーダーシップがある人が抜けても継続していけることが重要。
→ 重要なのは人を育てるということ。
  ・コーチはいつかいなくなる
  ・熱意が人を育てる
→ チームとしての醸成が重要。
  ・介入してくるマネージャだと失敗する。
  ・一緒にやりたい、という気持ちになること
  ・チームを勇気づけることが大事
  ・楽しかった、と言われるチーム作り
  ・仲間を増やす
  ・メンバー全員が同じ方向を向く


スライドの最後で、日露戦争のバルチック艦隊との最終決戦で全搭乗員を鼓舞するために使われたフレーズが
紹介されました。

皇国の興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ

日露戦争をテーマにした司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」にももちろん出てくるのですが、私、この小説が
超好きなのです。ちょっと前にドラマ化もされましたが、その前から読んでて、二周りは読み返したりしたほどです。

で、この「皇国の興廃この一戦にあり、各員一層奮励努力せよ」というフレーズも大好きで、満員の通勤電車で
この本読んでたんですが、小説のあまりの熱さに涙流しながら読んでました。恥ずかしながら。。。

やっぱ、こーいうチームを勇気付ける言葉って大事ですよね。この発表で再認識しました。
奮い立たせるメッセージというか、共感というか、一体感というか。
こんなメッセージ性があれば、私だったら一発で同じ方向を向いて頑張れちゃう気がします。マジで。



藤原さんの講演の次は、楽天で藤原さんの後輩の、及部さんの講演です。

「アジャイルペーペーシップとチーム改革 ~楽天のアジャイル開発というリアル another story~」 @TAKAKING22
アジャイルペーペーシップとチーム改革 from Takao Oyobe


入社4年目ということで、若さ溢れる講演です。
俺が入社4年目だったころ、こんな志が高い青年だっただろうか、と反省つつ、羨ましさも感じます。
「改革」、「革命」、「改善」という3語を挙げ分析するというスタイルから入ったのは面白いですね。
講演からいくつかポイント抜いてみます。


■人は変化を嫌う。自分を変えるのは簡単だが、隣の人を変えることは難しい
 だが、自分が変われば、周りも変わった。
■「改革」じゃなくて「改善」を目指す。(改革は善いことばかりとは限らない)
■王道でも覇道でもなく、邪道を目指す。
 → 道は1つではない。改善していこうと目指すことが大事。
■いろんながあっていい。アジャイルでなくてもよい。アジャイルが目的ではない。


たしかに、アジャイルには「こーやったらアジャイル。これをやってないからジャイルではない」という
正解は無いと思いますし、明確に存在しない正解を求めすぎて柔軟性を失う弊害のほうが大きいと感じます。
なので、邪道でもよい、というのは納得できます。プロセスよりも、改善していこうとする気持ち大事。
吉羽さんも以前横浜道場の講演でおっしゃってましたが、「態度重要」というやつですね。

あと、「自分が変われば周りも変わった」というフレーズは強烈でした。
たしかに、会社がアジャイルを取り入れてくれない、とか、上司の理解がないから、とか理由つけて
やらないよりは、自分がやってみて周りを変えていくというのが大事と思います。
たとえば、藤原さんの講演にもあったように、こっそりやってみる、のもひとつの手かな、と。
できるところから一歩を踏み出すべし。

んで、講演の最後はまさかの猪木風で終焉。若さとユーモアに溢れ、及部さんのメッセージも凝縮されてた良い講演でした。


あと、講演のほかにも2回のディスカッションタイムがありました。
2回目のディスカッションで発表を担当したのですが、自分の言いたいことを全然伝えられなかったと反省。。。
というか、まとめる力が足りないと痛感。これは次回以降のTryだなぁ。
でも、他社のエンジニアさんと意見交換ができるディスカッションというのはやっぱいいですねー。
20120719_横浜道場
1回目のディスカッション時の、ウチの班の模造紙↑


22:00からは懇親会です。
ピザとビール飲みながら、楽天の藤原さんと及部さんへのQ&Aが繰り広げられました。
このQ&Aも面白かったですね。お酒も入って、より深い一幕を知れるひととき。
藤原さんが「6ヶ月で12回くらい心折れた!」とおっしゃってたのが印象的です。

Q&Aの内容は道場主の@tw_takubonさんが纏めて下さったページがあります。
https://github.com/agile-samurai-ja/support/wiki/Readingagilesamuraiinyokohama20120719

2012/7/26追記
藤原さんのブログで、懇親会のQ&Aについて紹介されました。
 アジャイルサムライ横浜道場で受け取った12の質問状

最後に、素晴らしい機会を提供くださった講演者様と運営者様、ありがとうございました。
また新しい特別編を期待してます。


参加者さんが纏めて下さったツイート一覧です。↓


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